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住商スクラム LIVE REPORTS Vol.2 人々の生活基盤を造る「力」を提供する

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建機レンタルモデルで建設業界をサポートする

建設会社の「持たざる経営」をサポート

 建設工事は、その規模や何を建設するかによって、必要とされる建設機械が異なる。また、建機の調達に必要な資金もプロジェクトによってまちまちである。建設会社が高額の資金を投じて建機を購入したとしても、それが次の建設プロジェクトで必ずしも使われるとは限らない。また、自社で建機を保有すれば、当然日々のメンテナンスコストもかかることになる。
 このような課題を解決するのが、建機レンタルビジネスだ。住友商事が国内で建機レンタル事業に参画したのは1990年のことだった。建設機械事業本部の安田和弘は説明する。
 「当社の建機ビジネスのスタートは1960年代にさかのぼります。当初は日本の機械メーカーが作った製品を海外に輸出するのが主なビジネスでした。その後、海外の販売代理店に建機を販売する事業も手掛けるようになりました。それらのビジネスの過程で、建機レンタルサービスのニーズに気づいたわけです。良くメンテナンスされた建機を必要な時に借りることができて、しかも購入するよりも資金が少額で済む。そんなサービスがあれば、ユーザーにとって大きなメリットとなります」

建設機械事業本部 安田 和弘

1998年に住友商事に入社した安田和弘。7年半の人事部所属を経て、建機事業分野に移った。現在は、建機事業本部長直属の立場で、連結会社を含めて7000人近くに上るスタッフをまとめる。「グループの全体最適を考えながら、現場の声に耳を傾けて納得感を醸成していくのが私の仕事です。難しい仕事ですが、やりがいも大いにあります」

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米国における強力なパートナー候補

 その後日本国内での建機レンタル事業を拡大させていったが、海外で建機レンタルビジネスを行うことは悲願であった。
 「建機の最大の市場は米国です。米国の建機レンタル事業実績がある会社にアプローチし、私たちが日本で培ってきたノウハウとファイナンス力を提供し、ビジネスをともに成長させていく。それが私たちの戦略でした」
社員を現地に送り込み、米国全土の建機レンタル会社の店舗を視察する指示を出したのは2007年のことだ。現地に飛んだ社員は、数百の店舗を見て回り、ときにオーナーと語り合いながら、パートナー候補探しを続けた。
この過程で浮上したのが、米国南西部アリゾナ州フェニックスのサンステートだった。
 「建機レンタルビジネスにおいては、商材となる建機をいかに良い状態で管理できるかが大きなポイントとなります。サンステートは建機の状態が良好で、店舗内も非常に整然としていました。また、貸し出しのオペレーションも実にスマートでした。調べてみると、業界内の評判もとてもいい。私たちはサンステートに協業を申し出ることを決めました」
 「住友商事からの申し出は、とてもうれしかったし、光栄でした」
 1977年に独力でサンステートを設立し、従業員数1500人を擁する会社に育て上げたマイク・ワッツ会長はそう振り返る。しかし、彼がすぐに首を縦に振ったわけではなかった。
 「私たちは以前、米国内の会社から出資を受けた経験がありましたが、そのパートナーシップは結局うまくいきませんでした。互いの戦略のビジョンを一致させることができなかったからです。その苦い経験もあって、私はすぐに別の企業とコラボレーションする気にはなれなかったのです」

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サンステート イクイップメント社 会長 マイク・ワッツ氏

20代でサンステートを創業したマイク・ワッツ氏。現在は会長を務めながら、事業全体の戦略を立てる役割を担う。「顧客からのニーズがあったとしても、安全が確保できない仕事は常に断ってきました。顧客にノーという勇気も時として必要である。それが私の信念です」

共通する企業風土がパートナーシップを成立させた

根気強いアプローチで壁を越える

安田は語る。
 「2008年のリーマンショックの影響もあり、米国で新しいビジネスを始めるには、私たちにとっても決していいタイミングではありませんでした。しかし、私たちはあきらめませんでした。サンステートという会社の企業理念にほれ込んだからです」
 従業員を徹底的に尊重する──。当然ではあるが最も重要なその理念こそが、サンステートの何よりの魅力だった。社員が意見を積極的に述べることを奨励し、トレーニングなどの成長機会を提供し、モチベーションを向上させながら、企業の一員としての確かな意識を醸成する。そのような企業カルチャーは、多岐にわたる研修や留学制度、社員の仕事と生活を両立させる仕組みなどによって人材育成に力を注ぎ、社員の成長を促す住友商事と共通していた。同様の実感をマイク氏も抱いたという。
 「住友商事は、私たちと同じように、人を重視し、非常に誠実に事業を展開する会社である。そんな強い印象を最初に受けました」

 共通する価値観を持つ相手への根気強く熱烈な「プロポーズ」。それが最終的に壁を乗り越える力となった。
 「あの不況のさなか、粘り強いアプローチを続けてくれたことに私は心を動かされました。同じ文化を持ち、世界中での実績を誇る企業と提携することは、私たちにとって素晴らしい機会になる。そう私は確信しました」(マイク氏)

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パートナーシップの目覚しい成果

 協業の契約が締結されたのは2009年の末である。住友商事は当初、少数株主としての経営参画であったが、その後時間をかけて関係を深めながら、2012年末には株式を80パーセントまで取得。文字通りの経営パートナーとなった。
 09年以降、サンステートは米国の建機レンタル市場全体の成長率を凌駕する成長を続け、売上げは7年間で6倍にも達した。店舗展開も、9州60支店まで拡大した。
 このような目覚ましい成果は、住友商事の資金面での貢献のみによってもたらされたものではなかった。2013年に渡米し、サンステートの運営に携わった建機レンタル事業部の秋田道哉は話す。

 「やはり、私たちに建機レンタルのオペレーションのノウハウがあったことも大きかったと思います。株主として事業をコントロールするスタンスではなく、パートナーをリスペクトしながら、こちらのノウハウを提供して、ともに仕事に取り組む。そんな姿勢が信頼関係につながり、事業の成長につながったと実感しています」
 米国に確かなビジネスの基盤を持つサンステートと、グローバルなビジネスの経験を持つ住友商事。その2社の関係は、まさしく理想的なウィンウィンの形に結実した。

建機レンタル事業部 秋田 道哉

秋田道哉は2009年の入社。国内の建機レンタル事業に携わり、その後、サンステートとのプロジェクトのメンバーとなった。「誰かの役に立てた」という確かな実感を得られたときに仕事のやりがいを感じると話す。「入社以来、たいへん貴重な経験をさせてもらっていると感じています。その経験を会社に還元してくことが今の目標です」

ビジネスにはまだ伸びしろがある

 協業がスタートしてからおよそ7年。サンステートと住友商事のパートナーシップは、次の段階に入りつつある。現在のパートナーシップを中心で担っているのは、父であるマイク氏の後を継いで、現在CEOの任にあるクリス・ワッツ氏と、2014年から住友商事側のスタッフとしてクリス氏を補佐する大国裕二郎だ。
 クリス氏が現在掲げる目標は、「米国全土において、建機レンタル事業者として唯一無二の存在になること」である。現在、同業種における売り上げは全米7位。事業を展開しているエリアは全米50州のうち9州にとどまる。この事実は、ビジネスにまだまだ大きな伸びしろがあることを意味している。
 「私たちと住友商事のチームには、競合先がまねできないサービスレベルを実現するポテンシャルがある、そう私は信じています。お互いのサポートによって、私たちの事業は今後大きく発展させていくことができます」
一社では実現が難しかった業界トップへの道。その道筋は徐々に見え始めている。クリス氏のビジョンに大国も賛同する。
 「さらに一体感を高め、共通の目標に向けて突き進んでいけば、成長の余地はまだまだあります。“人を大切にする”というカルチャーを失わずに、持続的なビジネスの拡大を続けていくこと。そして、サービスクオリティの頂点をめざし、米国建機レンタル事業で“なくてはならない存在”になること。それが今後の私たちの挑戦となるでしょう」

サンステート イクイップメント社 CEO クリス・ワッツ氏

現CEOのクリス・ワッツ氏。20年前に現場の社員の一人としてサンステートに入社し、レンタルビジネスを一から学んできた。現在も支店に足を運び、現場の声に耳を傾け、社員の本音を聞くことを重視している。従業員からの信頼と尊敬を一身に集める頼もしいリーダーだ。


米州輸送機・建機グループ 大国 裕二郎

1999年入社。2014年からサンステートのバイスプレジテントの任を担う大国裕二郎。2015年の女子サッカーワールドカップで、米国代表となでしこジャパンの決勝戦をクリス氏と見た時のことをこう語る。「米国が勝利したので、私は記念に決勝スコアが書かれたポロシャツをクリスにプレゼントしました。 国籍も異なり、仕事の中で“対戦”することもある仲ですが、互いにフェアに向き合っていこう。そんなエールを交換できたいい思い出です」

建機ビジネスの価値を世界中に広げていきたい

ビジネスのエリアをいかに拡大していくか

 現在、住友商事が建機レンタル事業を展開しているのは、日本と米国である。これをいかに世界中に拡大していくかが、目下の課題だ。秋田には、その道筋を模索するミッションが与えられている。
 「私が渡米した目的の一つは、当社がサンステートとともに作り上げたレンタル事業のオペレーションを学ぶことにありました。今後、住友商事グループが持つグローバルなネットワークの中で、そのオペレーションを展開できる国や地域を見出していかなければなりません」
この7年の間に築いたパートナーシップとレンタルビジネスのノウハウをもって、サンステートとともに米国以外の国にも挑戦していく。そんな可能性も模索したいと秋田は言う。

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信頼関係を属人化させないために

 課題はもう一つある。顔の見える人間同士の関係の中で作り上げた強固なパートナーシップを、いかに「会社対会社」の関係に広げていくかという課題だ。
 「信頼関係を属人化させないこと」──。そう安田は表現する。ビジネスである以上、窓口となる担当者は必ず変わる。そこで関係が途切れてしまっては元も子もない。人と人との交わりの中に育つ熱い信頼関係を、組織と組織の間の信頼関係にまで昇華させていくこと。決して簡単ではないその課題に、今、安田たちは挑んでいる。

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生活の基盤を作り出す仕事

 建機は、いわば人間の文明を支える力である。道路も鉄道も橋もビルもマンションも、さまざまな建機が生み出す大きな力で造り出すものだ。その意味において、建機を提供する事業は、まさしく私たちの生活の基盤を整え、私たちの日々の暮らしを豊かにするビジネスと言っていいだろう。  人と人との地道な関係が生み出すパートナーシップによって事業を大きく成長させ、その事業によって人々の生活を力強く支えていく。それが現在、住友商事が建設機械事業分野で取り組んでいるビジネスの一つの形である。米国で成功しているその取り組みが生み出す価値を、今後は世界中に広げていきたい──。そんな強い思いを胸に、住友商事の社員たちは今日も働き続ける。

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「スクラム」の力で、未来へ コヨーテのような勇気を持ち力強く成長していこう

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住商スクラム vol.2 建機価値共有化

Vol.2 「建機/輸送機」篇
日本経済新聞 掲載
(2016年11月21日)