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この案件を通じ、住友商事の評価は米国でも高まり、03年にワシントン・ダレス国際空港、05年アトランタ国際空港、そして08年にはマイアミ国際空港で2件目となる案件を受注した。09年2月には、これら4件の運行・保守を行う事業会社も設立し、米国で本格的にピープルムーバー事業を展開する基盤を構築。業界トップを争えるポジションを着実に確立しつつある。現在、加藤に代わってジノと共にチームをリードする小林信二は、「北米で導入されるすべてのピープルムーバーを我々の手で実現することが目標」と将来を見据えている。
この状況を振り返り、加藤は「多くの先輩方がつくり上げてきた米国でのビジネス基盤を活用して、工事を含む公共事業を初めて受注でき、現在、その件数を着実に伸ばせている。自分たちの手で新たな領域へ進出できたことに、大きな充足感があります」。その言葉を受け、一色は「加藤さんからのバトンを受け継ぎ、さらに新しいビジネスのプラットフォームを築いて、次の世代へ渡していきたいですね」と、今後の抱負を語る。

ピープルムーバーの環境に対する優しさと、住友商事のトータルコーディネート力をアピールポイントに、「都市整備もターゲットに展開していきたい」と語るのは、輸送機ビジネスを統括する中川勝司だ。総合商社の強みを最大限に発揮し、「将来は鉄道会社の運営と共に、沿線の商業施設やレジャー施設、不動産事業なども手掛け、地域の総合開発を担う一大ビジネスをトータルに展開したい」と、究極の理想を語る。
米国で。そして、アジアで。今、輸送機プロジェクト部が展開している活動は、いずれもこの理想へ向かうための大切な一歩なのだ。

マイアミに続いて受注したワシントン・ダレスの案件は、メインターミナルと2つのコンコースを結ぶ全長3.5kmの地下ピープルムーバー建設プロジェクトです。完工予定は、09年7月。マイアミの完工が大幅に遅れたため、この案件が住友商事の完成第一号になる予定です。米国で3件目となったアトランタの案件は、空港と隣接する国際会議場・レンタカー施設を結ぶ全長2.3kmのプロジェクト。完工は09年9月の予定です。マイアミで2件目の案件は、空港と隣接する交通複合施設(バス・鉄道・レンタカー)を結ぶ全長2kmのプロジェクト。こちらは11年8月の完工予定です。このほか、アジアでも03年に韓国・仁川国際空港の案件を受注するなど、住友商事はパートナーである三菱重工業と共に、現在ピープルムーバーで世界第2位の実績をあげています。