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当初設定したゴールは、2009年1月の完工。これは、電力の販売先となる地元電力会社の送電施設の完成から逆算したもの。
“タリフ登録は2009年3月ごろになるだろう”という予測も背景にあった。ところが2007年5月に発表された制度の内容は、「登録は2008年9月28日まで」という、予測を半年も前倒ししたものだった。この日までに登録しないと、事業収益の保証はゼロ。あと16カ月の間に(1)発電モジュールを調達(2)プロジェクト資金の融資を確定(3)各種許認可を政府から取得し、発電所を完成させなければならなくなったのだ。
9メガWの発電には、5万6000枚近いモジュールが必要になる。
だが、当時は市場にモジュールがなく、許認可も融資も確定していない段階では、メーカーに発注することもできない。そこで大きな力になったのが、巨大ビジネスに発展していた発電モジュールの輸出ビジネスだった。同ビジネスのリーダーを務める坂井洋一は、次のように話す。「このプロジェクトだけで調達することは不可能。そこで、長年取り組んでいたドイツ向けのモジュールとうまく出荷調整することで、調達することができたのです」。

2007年秋。福原と共にプロジェクトをリードしていた萩原直之の顔から一瞬にして血の気が引いた。融資先に決定した銀行が、突然“辞退”を申し出たのだ。サブプライムの影響だった。新たな融資先の選定は困難を極めた。どの銀行もこの分野への融資は未経験。その姿勢は慎重の上にも慎重だった。豊富な日射量、長期的な優遇制度、地元との良好な連携体制など、事業の高い安定性と信頼性をていねいに訴求。新たに交渉した銀行との契約に何とかこぎ着けたのは、2008年3月。「これで着工できる」。肩の荷を一つ降ろせた気がしたと萩原は言う。

政府の許認可取得で大きな力になったのは、地元のパートナーたちだった。ラテン気質の国民性のためか、許認可の発行も、なかなかスケジュール通りにいかない。プロジェクトマネージャーとして現場に駐在し、施工管理を担当した高瀬正道は、「何度も着工をあきらめる覚悟をした」と言う。だが、「そのたびに地元のパートナーたちが手を尽くし、前に進める体制を整えてくれた」のだ。
EUでは「2020年までに、域内のエネルギー消費量の20%を再生可能エネルギーでまかなう」という目標を掲げています。この実現に向け、EU各国政府は、再生可能エネルギーの導入・普及を推進するため、さまざまな補助金制度や税制優遇制度の導入を図っています。その一つが、再生可能エネルギーを長期にわたって高額の固定価格で買い取る「フィードイン・タリフ制度」です。
スペインは現在、積極的な太陽光発電所の建設を推進。太陽光発電設備の設置容量はドイツに次いでヨーロッパ第2位となっています。