ProjectEYE その時、何を見つめ、考え、行動したのか。

シリーズ第二回 スペイン大型太陽光発電事業プロジェクト

新・太陽光関連ビジネスとして見えてきた発電事業


福原豊樹
環境・省エネ事業部
新エネルギー事業チーム長

住友商事が太陽光関連のビジネスを始めたのは、1990年代の初め。太陽電池の原材料メーカーに出資したのが最初だった。その後、徐々に領域を拡大し、2001年に太陽光発電モジュールの輸出販売を開始。原材料の調達から、モジュール販売を通じた太陽光発電の普及までをカバーするバリューチェーンを確立した。
この展開を受け、太陽光関連ビジネスを手掛ける環境・省エネ事業部では、新たなビジネスの確立を目指し、さまざまな取り組みをスタートさせた。その中で太陽光発電事業への進出というシナリオを描き、実現を託されたのが、福原豊樹だった。「当時のマーケットは、発電モジュールが足りないほどの急成長期を迎えたところ。ただ、不透明な部分がまだ多く、事業性を判断するのは難しい状況でした」。



石村彰浩
インフラ事業総括部

そこで福原は、事業評価・リスク管理を担当する石村彰浩に相談した。「確かに不確定要素は多かったものの、大きなシナリオの中で、太陽光発電事業へ進出することに間違いはない。特に、トップランナーとして走るためには今だと判断できました」。


スペインから届いた「一緒にやろう!」の声

福原たちが最初に取り組んだのは、太陽光発電所の建設地探しだった。数々の候補地がリストアップされる中、特に魅力的だったのが、豊かな日照量と広大な土地を持つスペイン。太陽光発電などの再生可能エネルギーを固定価格で買い取る「フィードイン・タリフ制度」などの優遇制度が施行されるとの予測も、その魅力を一段と高めていた。
そんなとき、自動車事業第二本部を通じて一つの提案がもたらされた。同部がスペインのテネリフェ島で展開している自動車販売事業のパートナーから、「太陽光発電事業を一緒にやらないか」との提案があったのだ。発電事業は、地元の土地と人材によって電気をつくり、地元で消費してもらう地元密着型の事業。地元とのコネクションが成功の鍵になることは、多くの実績を持つ火力・水力発電事業で証明されていた。その橋渡し役を、住友商事をよく理解しているパートナーが務めてくれるとなれば、これほど心強いことはない。
こうして2007年1月、旧来パートナーを含む地元資本と合意。タリフ制度などが制定され次第、事業会社を設立し、まずは9メガWという世界有数の大型太陽光発電所を建設して発電事業を展開することが決定した。


コラム:テネリフェ島って?

アフリカ大陸の横に位置し、明るい太陽の光が降り注ぐ

テネリフェ島が位置するのは、スペイン本土から南西に約1800km、アフリカ西岸から約100kmの場所。ヨーロッパでも日照量が豊富なスペイン南部よりも、さらに20%以上も多く、ヨーロッパの避寒地として親しまれている島です。


世界遺産に指定されているサン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナの街や、黒砂が美しいビーチ、スペイン最高峰3718mを誇るテイデ山、最近ではゴルフ場も目立つようになり、自然の作る造形美に加え、見どころの多いリゾートの島として、一年を通してヨーロッパ中から観光客が集まります。

ここに住友商事は、島政府子会社ITER(再生可能エネルギー技術研究所)をはじめとする地元資本と共同で、事業会社『EVM2 Energias Renovables,S.L.』を設立。



ヨーロッパ中からリゾート客が集まる観光の島だ

筆頭株主として、太陽光発電事業を始めました。12.6メガWの出力は4500世帯をまかなう電力量に相当。今後25年にわたり、スペイン最大手の電力会社であるエンデサの100%子会社に電力を販売していきます。

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