![]()

以来、ロボットシステムは細かな改修・改善を繰り返しながら、年間1000時間を超える清掃を順調にこなし、6年が経過した。10万キロを走った自動車の稼働時間が約2500時間と言われることを考えると、その耐久性は相当なものだ。
こうした確かな性能を証明したとき、予期してなかった朗報が舞い込んできた。
産業、公共、生活の各分野で活躍したロボットの中から、市場創出への貢献度や期待度の高いものを選び、表彰するために経済産業省が創設した「今年のロボット大賞」。その第1回(2006年度)で、最優秀にあたる経済産業大臣賞を受賞したのだ。
評価ポイントは、世の中に役立つサービスロボットの先駆けとして実用化を果たし、ロボット清掃という新しい市場を開拓したことだった。
今回の成功要因を、井上は次のように語る。「まずは、ロボット博士の青山さんと出会え、ものづくりが大好きな富士重工業の人たちと一緒に取り組めたこと。そして、仲間が抱いた本気の思いを、一緒に実現しようとする住友商事グループの体質と文化ですね」。
だが、清掃ロボットシステムは、まだまだ創世記のビジネス。今後の成長を握る鍵として井上が考えているのは、オフィス内など専用ゾーンへの進出だ。「専用ゾーン進出は、革命に匹敵するもの。実現したら、きっと大騒ぎになりますよ」。
初期投資の低減を指摘するのは、櫻内だ。「ランニングコストは、実際それほどでもない。ですから、初期投資を抑えられたら、導入チャンスは大きく伸びるのです」。

「仕事はミラクルではなく、マジックだ」というのが、井上の持論。「タネと仕掛けをしっかり作り、ストーリーを考え、役割分担をしっかりして練習して、世の中をアッと驚かせる。そしてそれはミラクルに期待するのではなく、確実に成功させなければいけないのです」。
そのためのプロジェクトも、すでに動き出している。

オフィスだけではなく、昨年には高層マンションでも導入が実現しました。さまざまな場所への導入が進んだことで、吸引力を高めたり、排気浄化機能を備えたり、ちょっとスマートなタイプも登場。マンション用は、排水溝を掃除するブラシを装着するとともに、静かさと安全性を高めて住む人たちとの共生を図りながら、元気に働いています。このほか、頭にディスプレイを乗せ、さまざまな情報を表示する機能を持たせたり、カメラを搭載した警備に取り組むタイプも。センサーをはじめとするエレクトロニクス技術を駆使し、完全自動運転を実現したタイプも誕生しました。