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住友商事は、新ビルでダストコントロールシステムの採用を決めていた。これは、エレベーターや廊下などの共用部分にカーペットを敷いて靴底の汚れを取り、オフィス内への侵入をシャットアウトしようというもの。
そこで井上は、カーペットに溜まったホコリや砂などを吸い取るロボット開発を、青山氏に依頼した。
当時、富士重工業のロボットプロジェクトチームは、カーペット対応のロボットの研究とその実用化を行っていた。ゴミの吸引に関しての解析や設計には、そのころ日本に1台しかなかった空気の流れを3次元解析することが可能なスーパーコンピュータを使用していた。そこに、住友商事グループのビルオーナーとしてのノウハウやカーペット清掃のノウハウを提供。さらにビル一棟を使って実証試験を行ったことによって、カーペットの中に潜り込んだゴミを吸い上げるカーペット用スイーパロボットを実用化した。
もう一つ、システムには、どうしてもクリアしなければならない課題があった。エレベーターとの連携だ。
システム導入のコストバランスを取るには、ワンフロアの清掃だけでは合わない。ロボットがエレベーターに乗ってビル内を自由に移動し、広い面積を清掃できることが、実用化の必須条件だったのだ。
これを打開したのが、総合商社の強みだった。住友商事はエレベーター開発を手がける三菱電機の代理店。新ビル開発でも、60基の三菱電機製エレベーターを導入することが決まっていた。
「そこで相談を持ちかけたところ、我々の思いに共感。一緒にチャレンジしてくれることになりました」(井上)
こうして三菱電機とのコラボレーションが実現。エレベーターとロボットの連携システムも実現した。

晴海トリトンで働く仲間は7台。23時になると、順次オペレーターさんにスタート位置まで運んでもらい、お掃除に向かいます。テレビのリモコンと同じ仕組みでエレベーターを操作し、お掃除の担当階へ。どの階を掃除するかは、スイッチで事前に指示してもらっています。担当階に到着すると、壁との距離を測るセンサー、方向を確認するジャイロ、カーペットの下に数カ所貼られた磁気テープと、走行距離で自分の位置を確かめながら、プログラムされたルート通りに、お掃除。ワンフロアの目標お掃除時間は、約20分。作業が終わったら自分でエレベーターを呼び、次の担当階へ移動。こうして担当階のお掃除がすべて終わると、スタート位置まで自動で戻ります。