住友商事のビジネスの現場を間近に見てきた当社広報担当者が、現地の状況や働く人々の様子をレポートします。世界に広がる住商ワールドの「いま」をお送りします。
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報道チーム
浅田 剛志
2002年入社、初期配属は輸送機・建機総括部。自動車、建設機械、船舶・航空宇宙・車輛事業本部の投資・審査案件のリスクマネジメントを担当。2005年秋、「商社でも現場のなかの現場に行きたい」という以前からの希望が叶い、船舶事業部へ。国内船主向けの船舶売買ビジネスで営業のいろはを学ぶ。2010年7月に広報部に異動し、インフラ事業部門と輸送機・建機事業部門の報道対応を担当。出身は兵庫県、休日はたまのアメリカンフットボールと2人の愛娘とのコミュニケーションに費やす。
セルビラミナ・サミット・メヒカーナ
(Servilamina Summit Mexicana)
住友商事グループが100パーセントを出資し1993年に設立したスチール・サービスセンター。メキシコ中央高原にケレタロ工場、北部アメリカ国境近くにモンテレー工場の2拠点体制を有し、現在の生産能力は年間14トン。世界の主要鉄鋼メーカーとの密接な関係や、メキシコでの経営実績を生かし、自動車関連メーカー、家電メーカーなどに安定した鋼材供給を続けている。
ヒロテック・メキシコ
(Hirotec Mexico,S.A.de C.V.)
ヒロテックが51パーセント、住友商事が49パーセントを出資し1998年に設立した自動車外板部品製造会社。シラオ工場、ラモス工場の2拠点を有し、主にドアやボンネットなどの量産品を製造、ゼネラルモーターズやクライスラー、日系自動車メーカー向けに販売している。北中米トップレベルを誇る生産効率と品質管理で、メキシコに工場を置く自動車メーカーとはゆるぎない信頼関係を築いている。

ここは、メキシコ中央高原のほぼ中央に位置するグアナファト州サラマンカ市。マツダおよび当社がこの地で設立する乗用車生産・エンジン組立新工場の起工式にやってきた。この新工場は2013年の完成を目指し、2014年ころから、北中南米をはじめとする市場向けに「Mazda2(日本名:マツダ デミオ)」「Mazda3(日本名:同 アクセラ)の出荷を開始する予定だ。

新工場の起工式にて。マツダの山内孝会長兼社長兼CEO(左から2人目)と、当社副社長の大森一夫(右から2人目)
メキシコは、世界44カ国とFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)を締結している。自動車新車販売台数ベースで全世界3,000万台の市場を抱えることとなり、乗用車生産、輸出に無限の可能性がある国だ。
一方、当社とメキシコとの関係は50年以上も前にさかのぼる。主に自動車部品の製造事業を中心に、金属加工や水処理事業、農薬販売事業など、土地や時代のニーズに根差した幅広い事業を展開してきた。
メキシコでの乗用車生産事業は、これまでの同国においての事業展開で培ってきた経営ノウハウ、特に人材育成や税務、労務、物流、ITインフラなどの幅広い知見を活用し、マツダと共に実現していくものだ。川上では部品製造事業、川下ではディーラー、オートリース事業や自動車ファイナンス事業など、商社でもトップクラスの自動車事業展開を自負してきた当社にとっても「乗用車メーカー」へのチャレンジは、いまだに踏み入れたことのない分野であり、いわば夢への挑戦だ。
前日の豪雨が嘘のような晴天に恵まれ式典は大成功、夢への一歩は確かに踏み出された。関係者の晴れやかな笑顔の奥からは、事業成功に向けての強い意思が感じ取れた。

整然と並ぶ鋼材を背に作業する従業員
メキシコまで来たのでルチャリブレ(プロレス)を見て、という気持ちを抑え、翌日訪れたのが、町の中心部全体が世界遺産に登録されている美しい街ケレタロ。この地に工場を有するスチール・サービスセンター、セルビラミナ・サミット・メヒカーナ(Servilamina Summit Mexicana)を訪問した。
同社が置かれている環境もここ数年で急激に変化し、2004年には4割強であった自動車産業向けの売上比率は、2010年には7割弱を占めるまでになった。新しく進出する自動車メーカーだけでなく、同じタイミングで進出する自動車部品メーカー向けも含めて鋼材需要の伸びが著しい。実際に米国、欧州、アジアからの鋼材が週に2回程度、国内主要港から鉄道で運ばれ、出荷を待つ大型トラックの列も終日途切れること無く続いている。それもそのはず、メキシコ中央高原では鋼材需要が2015年までに50万トン増える見通しだという。
同社の設立以来徹底している品質管理体制および顧客からの信用が競争力の源泉となっている。一方、最近進出してきた自動車メーカーにとっては、工場の立地自体も物流アクセス面で大きな武器になっているようだ。
とはいえ、鋼材の需要は、景気や顧客の業界動向、商品構成の変化などさまざまな要因で変化し、ビジネスは常にリスクと背中合わせだ。その中で、当社のスチール・サービスセンター事業は、グローバルベースで業界トップクラスの事業展開とノウハウを築いている。「セルビラミナ・サミット・メヒカーナもその経験を生かして、会社運営のさらなる効率化を図り、ますます競争力をつけ、事業成長を目指す」と、同社に出向している青木洋典は力強く語った。