住友商事のビジネスの現場を間近に見てきた当社広報担当者が、現地の状況や働く人々の様子をレポートします。世界に広がる住商ワールドの「いま」をお送りします。
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広報部報道チーム
兼 制作チーム
大西克彦
2007年入社と同時に広報部配属。新人基幹職の配属は同部発足以来初であり、広報部で新人が通用するのか試されるべく、数々の修羅場を経験し現在に至る。報道担当部門はインフラ。HPではSC WORKMATESを担当。趣味は歌とドライブ。
フルターンキー
設備工事の契約範囲を示す用語。土木工事から設備の据え付け、試運転までを含む一切の工事を引き受ける形態を意味しています。
発電(設備)容量
発電設備が出力可能な電力量のこと


写真中央が発電設備。発電所からのぼっているのは冷却塔に投入される蒸気の一部です。地下蒸気の7~8割は水に還元されて地下に戻し、再度蒸気資源として循環します
世界で最も美しい地熱発電所
次に訪れたのは、ジャワ島南西部に連なる山の中に位置するワヤン・ウィンド発電所。ここでは、環境負荷の少ないとされる地中に存在する蒸気を利用した発電が行われています。この発電所は、地場の民間発電会社向けに当社が主契約者となり、富士電機システムの発電設備一式をフルターンキーで納入し、2009年2月に完成しました。

発電所までの道には広大な茶畑が広がっていました
バンドン市から車で3時間ほど移動したところにあるこの発電所で、まず目を見張るのは周辺景観の美しさ。標高1,700mの火山帯にあることから、様々な植物が生息しています。また、かつて植民地時代に開発された広大なジャワティーのプランテーションが斜面を覆い尽くし、とても美しい風景を作り出しています。発電所はこれに囲まれた高台に位置することから「世界で最も美しい地熱発電所の一つ」と評されています。

ここで蒸気貯留層からの蒸気を抽出し、パイプラインで発電所まで運びます
インドネシアではこれまでに約1,200MWの電源が開発されており、総発電設備容量2万7,000MWに及ぶ潜在地熱エネルギーがあると言われています。地熱発電は自然の力を利用して発電を行うため、安定的に発電を続けるには、様々な工夫が必要だそうです。「地中にある蒸気貯留層の形状や位置、蒸気に含まれる成分は同じ地区であっても掘る場所によって少しずつ違います。また、水脈内での循環がうまくいかないと、苦心して掘り当てた蒸気貯留層から蒸気が枯渇したり、地殻の変動が起こると、蒸気がある日突然止まってしまうこともあります。そのため、事前の綿密な調査と設計が重要」と現地エンジニアが教えてくれました。その他にも、噴出する180℃を超える蒸気を発電設備のある場所まで効率的に運ぶパイプライン敷設ルートをデザインしなければならず、火力発電や風力発電、太陽光発電などと比べると、発電所を設計する上で考えるべきポイントが大きく異なるとのことでした。

パイプの敷設には蒸気の熱によるパイプの膨張や、地震対策などを考慮する必要があります
このような複雑な発電所を作るためには、日本の重電メーカーの技術力と、現地で長年培った知見がものを言います。当社と富士電機システムズが協力して納入した発電設備はインドネシア全体の約4割強を占めており、豊富な実績があります。さらに政府が2020年までに地熱発電による発電容量を6,000MWまで拡大させる目標を立てており、当社が活躍できる場所はまだまだありそうです。
普段はオフィスでの広報業務が中心で、ビジネスの現場を訪れることのない筆者にとって、発電所の規模の大きさや、一概に発電と言っても火力発電や地熱発電で、それぞれに異なる工夫がなされていることに新鮮な驚きを感じました。とはいえ、標高1,700mという酸素の薄い場所での見学は、デスクワークでなまりきった体にはなかなか厳しいものがありましたが……。