REPORT 02 新機軸を打ち出す――インドネシアを支える「発電所リース」プロジェクト

 経済発展著しいインドネシアでは電力不足が深刻化している。そうした中、住友商事は2012年1月までにジャワ島で新たに2基の発電施設の建設を完了した。隣接する既存の2基と合わせた総発電容量は2640メガワット。インドネシアを支える基幹発電所が誕生した。(掲載日:2012年3月12日)

日本の底力を示す――インドネシアで電力不足解消にまい進

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発電所の拡張プロジェクトが早期完工、大統領からの賛辞

 その時、式典会場は大きな拍手喝采に包まれた――。

 2011年12月28日、インドネシア政府のエネルギー鉱物資源省が、ジャワ島に新たに建設された3つの火力発電所の完工式典を同時開催した。そして、その模様はテレビで多元中継された。式典にはユドヨノ大統領も出席し、3つの火力発電所のうちの1つが予定より3カ月も前倒しで完工されたこと、さらに契約以上の高性能を実現していることを称賛した。

 その発電所の名前は「タンジュン・ジャティB石炭火力発電所」(TJB)。インドネシアの首都ジャカルタから飛行機で1時間、さらに自動車で3時間ほど行った所にあるジェパラ県の沿岸部に建てられた大規模な発電所である。

 建設を手掛けたのは、住友商事とその100%子会社でインドネシア現地法人のセントラル・ジャワ・パワー(CJP)だ。インドネシアの国営電力会社ペルサハーン・リストリク・ネガラ(PLN)が運用する。ユドヨノ大統領の賛辞は、既に運転を開始しているTJBの1、2号機の隣に建設され、2011年10月に稼働を始めた3号機に対するものだった。

 さらに、2012年1月には3号機に次いで4号機も無事稼働を開始。2月6日にPLNがこれらの完工式典を開いた。式典にはインドネシア政府関係者のほか、住友商事も含めプロジェクトに携わった日本の企業各社や国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)、民間銀行などの関係者も出席。このプロジェクトがまさに日本の官民連携の象徴であることを示していた。

 3号機と4号機が運転を開始したことで、既設の1、2号機と合わせたTJBの総発電容量は2640メガワットに達した。その結果、TJBはインドネシアの電力需要の大半を占めるジャワ島・バリ島エリアで1割を超える電力を賄う、基幹発電所の1つとなった。


CJP社長の遠藤宏治氏。「ユドヨノ大統領の賛辞と鳴り止まない拍手の音を聞いた時は、さすがに目頭が熱くなった。それまでの苦労を思い、そしてこの仕事をとても誇らしく感じた」

 完工式典の翌日には、住友商事社長の加藤進氏らがインドネシア大統領府を訪問し、ユドヨノ大統領と面談。大統領から改めてTJB3、4号機の早期完工に対する謝意と共に、住友商事と日本に対する強い信頼の言葉を受けた。それはこういうものだった。

 「今、多くの投資家がインドネシアへの投資に興味を持っているが、我々は本当に大切なパートナーであるのかを見ている。日本とインドネシアのパートナーシップは大切だ。そして住友商事はインドネシアの長年の友、電力プロジェクトを含む多数のプロジェクトを開発する良きパートナーである。さらなる協力を望む」――。


2011年10月に3号機、2012年1月に4号機が運転を開始したTJB


TJBがあるジェパラ県はインドネシアの女性運動の先駆者、カルティニ生誕の地として有名。町の中心には彼女の銅像が建てられている

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