REPORT 01 領域を広げる――カナダ発・世界を目指す鉱山機械ビジネス

 資源開発ブームに沸くモンゴル。第1回で見たように、住友商事はここで、鉱山機械ビジネスのグローバル展開の第一歩を踏み出した。カナダ子会社の実績だけでなく、住友商事が培った同国での通信事業の実績や人的ネットワークが大きな力を発揮。世界最大級の銅・金鉱山向けの大型受注を成功させた。(掲載日:2012年2月28日)

モンゴルで生きた信頼の絆――ネットワークを紡いで新市場に参入

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グローバル展開の第一弾は世界最大級の銅・金鉱山

 中国とロシアに挟まれた国、モンゴル。中国寄りの南部には広大なゴビ砂漠が広がっている。資源開発ブームが活況を呈する中、この地域に世界から注目を集めている場所がある。世界最大級の規模を誇る銅・金鉱山オユ・トルゴイだ。

 住友商事は2011年2月に、同社のカナダ子会社SMSイクイップメント(SMS-E)がモンゴルに設立したトランズウエスト・モンゴリア(TM)を通じて、オユ・トルゴイ鉱山向けの鉱山機械の大型受注を果たした。SMS-EもTMも鉱山機械・建設機械の販売・アフターサービス会社だ。

 このプロジェクトは、住友商事がカナダSMS-Eでの実績と経験を生かした、鉱山機械ビジネスのグローバル展開第一弾。今後を占う上での試金石ともなる。


世界最大級の規模を誇る銅・金鉱山オユ・トルゴイに次々と運びこまれる鉱山機械

携帯電話から鉱山機械の世界へ


住友商事建設機械第三部・マイニング事業チーム長の藤原弘人氏

 受注のきっかけをつかんだのは、住友商事建設機械第三部・マイニング事業チーム長の藤原弘人氏だ。当時、彼はまだ鉱山機械ビジネスとは無縁だった。しかし、藤原氏は、住友商事の中では“モンゴルのスペシャリスト”として知られ、過去十数年間にわたり、「モビコム」を通じて現地の通信事業に携わってきていた。モビコムは、KDDIと住友商事によって1995年に携帯電話事業会社として設立され、今やモンゴル最大の総合通信事業会社となっている。藤原氏は「現地の人に任せることこそが、成功のカギ」という本社主管部の信念の下、設立当初3人しかいなかったモビコムが社員1000人以上の会社に成長するまでの間、事業に深く携わった。

 そんな通信事業一筋だった藤原氏がモンゴルでの鉱山機械・建設機械ビジネスの話を聞きつけたのは、2008年のこと。モンゴルで培った人的ネットワークがチャンスにつながった。藤原氏は担当を超えて、本社の建設機械事業本部に報告。当時本社の建設機械事業本部はグローバル展開を志向し始めたところであり、藤原氏からの情報は渡りに船といえた。本社側は直ちにコマツに話を持ちかけた。


モビコムの携帯電話は地元にすっかり定着

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