REPORT 01 領域を広げる――カナダ発・世界を目指す鉱山機械ビジネス

 第1回で見たように、モンゴルで鉱山機械の大型受注を果たした住友商事。成功の裏にはカナダ子会社が築いてきた実績と顧客との厚い信頼関係があった。その源となっているのが高い技術力を持つ人材とその人材育成の環境だ。(掲載日:2012年2月21日)

売るだけではいけない――ビジネスモデルを“深化”させる

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顧客第一主義を端的に表す「SMS-Eオイルサンドスペシャル」


住友商事建設機械第三部・建機米州事業チーム長の山本拓也氏

 「顧客第一と、言葉にするのは簡単だ。しかし、それを徹底するのは難しい。それを当たり前のようにやってのけてしまうのが、カナダ子会社のSMS イクイップメント(SMS-E)。そこが真の強さだ」。住友商事で北米の鉱山機械・建設機械ビジネスを所管する建設機械第三部・建機米州事業チーム長の山本拓也氏はこう語る。

 住友商事の社風を受け継ぐSMS-Eは、鉱山機械・建設機械の販売・アフターサービス事業のグローバル展開を担う、グループのけん引役だ。

 その顧客第一主義を象徴するのが、「SMS-Eオイルサンドスペシャル」と呼ばれるダンプトラックである。これは、荷台の頭の部分が丸く歪曲した超大型ダンプトラックで、SMS-Eが顧客となる鉱山会社の抱える問題を解決するために、コマツの製品をベースに荷台を改造したカナダのオイルサンド向け特別仕様となる。

 SMS-Eにおける鉱山ビジネスの中心は現在、オイルサンドだ。オイルサンドとは、極めて粘度の高い原油を含む砂岩のこと。石油に代わる燃料資源として一気に注目を集めるようになっている。中でも世界有数のオイルサンド埋蔵地帯であるアルバータ州は寒さの厳しい地域で、冬場はマイナス40度にまで達することも少なくなく、採掘したオイルサンドをダンプトラックに積載する際にオイルサンドが荷台の頭部分に積もって凍りつき、その重みで荷台が破損することがある。そこで、荷台の頭の部分を丸く加工して、オイルサンドが横にすべり落ちるよう工夫したのが、「SMS-Eオイルサンドスペシャル」というわけである。


オイルサンド用にカスタマイズした「SMS-Eオイルサンドスペシャル」の荷台

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