モンゴルで驚きの大型受注、カナダで培った信頼
「モンゴルでの大型受注の第一報を聞いたその時は、喜びより、その責任の大きさからむしろ緊張が走った」。こう語るのは、住友商事で鉱山機械ビジネスのグローバル展開戦略を担当する岡勇樹氏だ。その瞬間は、まさに“武者ぶるい”ともいえる状況だった――。
2011年2月、住友商事はモンゴルのグループ子会社、トランズウエスト・モンゴリア(TM)を通じて、世界最大級の銅・金鉱山オユ・トルゴイ向けにコマツ製の鉱山機械の大型受注に成功したと発表した。これにより、TMは、銅や金の採鉱権を持つ鉱山会社に対して、鉱山機械・建設機械メーカーのコマツの現地販売代理店として、超大型のダンプトラックやブルドーザーなどの鉱山機械を販売し、アフターサービスまでを担うことになった。
TMの受注は、住友商事社内でも大きな驚きをもって受け止められた。それもそのはずだ。TMをモンゴルに設立したのは、受注のほんの1年半前の2009年8月。それまで住友商事にはモンゴルでの鉱山機械ビジネスの経験が全くなかった。
それにもかかわらず、TMは受注を果たした。受注した鉱山機械は合計40台。契約金額は約109億円に及び、今後アフターサービスなどで毎年安定した収益が見込める。では、実績のなかったTMがなぜ、これほどの大型受注ができたのか。

モンゴルで受注したコマツの世界最大級の電気駆動式ダンプトラック「930E」
グローバル戦略組織を開設

住友商事からSMS-Eに出向中の岡勇樹氏
そこには、長年にわたりカナダで鉱山機械・建設機械ビジネスを手掛けてきた住友商事の子会社でTMの親会社である、SMSイクイップメント(SMS-E)の存在があった。SMS-Eは大手鉱山会社やコマツとの間で、ともに強い信頼関係を築いている。
実は、モンゴルでの受注は、そうしたSMS-Eの信頼と実績を基に、鉱山機械ビジネスのグローバル展開を図ろうという住友商事の戦略の一環だ。それを支えるのは建設機械事業本部のグローバル・マイニング・オフィス(GMO)。現在のメンバーは、冒頭の岡氏、SMS-Eの社長および住友商事の建設機械事業本部長ほか鉱山機械ビジネス関係者。この小さな組織の努力が、モンゴルでの事業化に結実したのだ。そして、現在、さらなるグローバル展開への戦略も練られているところだ。
では、SMS-Eに対する信頼は、どこから生まれるのか。

ゴビ砂漠南部に位置するオユ・トルゴイ鉱山








