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2014年01月06日
住友商事株式会社 代表取締役社長
中村 邦晴

2014年 社長年頭挨拶

皆さん、明けましておめでとうございます。
東京本社から全世界の住友商事グループの皆さんへ、新年の挨拶を申し上げます。
 年末から年始にかけて、日本では9連休でしたので、海外旅行や国内旅行に行かれて、心身ともにリフレッシュされた方も多かったのではないでしょうか。私は、今年は雪国で正月を迎えました。元旦の朝は、雲一つない青空で、ピーンと張りつめた冷たい空気の中で、緊張感と自信を持って、希望に満ちた2014年に臨める気がしました。
 
さて、昨年、2013年は、アベノミクスによる経済効果や東京オリンピック・パラリンピック開催決定などで、長らく停滞していた日本経済に、ようやく明るい兆しが広がり始め、久々に日本に活気を感じることができた一年でした。世界では、2008年のリーマン・ショック後の金融の量的緩和を背景とした資源価格の高騰が終わり、昨年半ばには、米国のQE3終了観測に端を発した新興国の景気の後退もありました。しかしながら、先進国の民需主導の景気の底上げもあり、総じて世界経済全体は、緩やかな成長を保ったと言えます。

では今年はどうでしょうか。住友商事総合研究所では、今年を「経済透明、政治不透明の年」としています。経済の面では、今年も、引き続き、日本のアベノミクスを含め、先進国の内需主導の底堅い成長が、世界経済全体を牽引していくと見込まれます。政治については、米国では、11月の中間選挙に向けて与野党の対立が、より激しくなることが予想され、オバマ大統領の求心力低下は避けられない状況です。
 
中国では、山積する課題の解決と成長を目指す中で、外交と改革により国内の求心力を維持する難しい舵取りが続き、アジアでは主要国が選挙を迎え、中東では対立軸が複雑化し、何れも予断を許さない状況にあります。米国一極が世界をリードする時代が終わり、「無極化」と「多極化」が進む世界では、このような政治の不安定や無秩序が、経済に思わぬ影響を与える恐れもあります。また、「一極」時代には、一極の動きを見ていればよかったものが、「多極化」が進む世界では、多極の動きをよく見ておく必要があります。その中で、私は、年末に米国のFOMCが決定した量的緩和縮小の今後の動きと、その新興国への影響について、特に注意をしていく必要があると考えています。その影響が予想される新興国に共通するのは、経済成長に必要となる基盤の整備が遅れていることと、本年に総選挙を控えていることです。すでにいくつかの国では、通貨安という形で影響が現れているのは、皆さんもご存知の通りです。

従いまして、まず、今年は、我々一人ひとりが、これまで以上に、情報収集のアンテナを高くしていきましょう。
世界各国のマスコミや調査機関、金融機関等の二次情報だけではなく、常日頃から交流のある関係者の方々の生の声をなるべく多く聞き集めることが重要となります。海外の各拠点におられる皆さんを中心に、これまで築いてきた各地域の政財界との人脈を、より幅広く、更に深いものへと進化させ、同時に、情報をタイムリーに共有し、状況の変化に、いち早く、そして柔軟に、全社で対応できるようにしていきましょう。特に新興国の場合、短期資本の流出や通貨の下落といった目の前の状況だけで、その国のビジネスを判断するということは避けるようにして下さい。そのためには、これも常日頃から、政治・経済・社会全体の流れを俯瞰し、中長期的な視点で、その国の発展について考えていくことが重要です。目の前に変化が起きれば、それが一過性のものか、構造的な問題なのかをしっかりと見極めていきましょう。我々のビジネスにどのような影響を与えるのか、一人ひとりがしっかりと考えていくことが大切だと思っています。別の見方をすれば、予め、中長期の戦略をしっかりと構築し、それを我々の軸として持っておくことが重要となるのです。その軸さえしっかりしていれば、急激な変化が起きたとしても、その変化を冷静に見極め、柔軟に対応していくことができます。また、その変化を前向きに捉え、価値創造のチャンスとしていくこともできると思います。

住友商事グループには、常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く社会に貢献していくという住友の事業精神に基づく経営理念があります。私は、このような経営理念に基づき、信念に裏打ちされた挑戦こそが、本来の住友商事グループらしいやり方だと思っています。こうした挑戦を、一つずつ、しっかりとやり遂げることで、さすが住友商事グループと評価されながら、世界各国の経済成長に貢献していきたいと思っています。住友商事グループは、昨年、創立100周年の2019年度に向けて目指す姿、Be the Best, Be the Oneを掲げました。

昨年の年頭挨拶では、我々の2019年度迄の7年間の道のりをクルマに例え、7段変速機のギアを第一速に入れて、新たに始動していく年だと申し上げました。その第一速の昨年、まずは、各組織で目指す姿に向けた中長期戦略を策定し、4月からはその実現に向けて踏み出す中期経営計画Be the Best, Be the One 2014(BBBO2014)をスタートしました。また、過去最大規模となるBBBO2014期間中の新規の投融資については、優先順位を明確にしながら、計画を定め、迅速にレビューする体制を整え、実行に移しています。一方、我々の強みである総合力を更に発揮するべく、海外組織を4極に、事業部門を5部門に集約しました。このように我々は、一段高い成長に必要となる経営上の仕組みと体制を整えてきました。
 
今年は7段変速機の第二速。今日からセカンドギアへとシフトアップします。セカンドギアの今年は、昨年よりも加速し、更にスピードを上げていく年となります。2014年は、従来のレンジから抜け出し、2019年度の目指す姿につながる史上最高益に挑戦する新たなステージの始まりの年にしていきたいと思います。その意味で今年は、まず目前に迫った2013年度の予算を達成し、2014年度も目標通りの結果を出し、新たなステージへ変えていくことができるかどうかの、極めて重要なターニングポイントだと思っています。これらの目標が達成できれば、2019年度の我々の目指す姿の実現がぐっと近づいてくるのです。全社一丸となって、一段高い新たなステージへとシフトしていきましょう。
 
そして、新年を迎えるにあたり、今年一年を新たなステージにしていくために、昨年11月の主管者会議でも申し上げましたが、改めて二つのことを確認しておきたいと思います。
 
まず一つ目は、「言ったことをやろうや!」、有言実行です。
言ったこと、決めたこと、計画したことを、必死になって、最後まで、やり遂げていくということです。先ほども申し上げましたが、今年は、政治の動向次第では、少なからぬ国で、これまでの常識が通用しない突発的な事態が起きる可能性があります。もし、そのように直面する状況がガラリと変わったとしても、まずは、焦らず、慌てずに、変化に柔軟に対応していく。そして諦めずに、策定した計画を必死に実行していくという覚悟で取り組んでいきましょう。

二つ目は、「情熱」と「貪欲さ」と「粘り強さ」です。
「こんなことにチャレンジしたい」という情熱と、「少しでもビジネスを大きくしていこう」という貪欲さ。そして、「夢や目標を実現するまで諦めない」という粘り強さを、いつ何時も忘れることなく、しっかりと自分の軸に据えて下さい。この「情熱」と「貪欲さ」と「粘り強さ」は、我々のDNAです。終戦後、ゼロから商事活動をスタートさせ、「熱心な素人は玄人に勝る」を合言葉に、今日の地位を築いてきた諸先輩から受け継いだものです。このDNAを取り戻し、若い世代へ、そして将来の世代へと、しっかりと引き継いでいきましょう。
 
「言ったことをやろうや!」の有言実行と「情熱」と「貪欲さ」と「粘り強さ」のDNA。
この二つに共通するのは、一人一人の気持ちの持ち方から始まるということです。この気持ちを行動や結果へと繋げていくために、我々、一人一人が、自分の気持ちをより素直に、より表に出していくことから始めていきましょう。ビジネスの勝負に勝てば、素直に喜び、その立役者が近くに居れば、褒め、負ければ、悔しさを表に出し、部下や同僚をしっかりと勇気づけていく。そして、皆が一つとなって、その喜びも悔しさも、共有し、互いに分かち合えるような活力に溢れるチームにしていきましょう。私自身も、今年、大きな目標を達成して、皆さんと一緒にその喜びを分かち合いたいと思っています。全社一丸となって、一段高い新たなステージへと突き抜けていきましょう。
 
最後に正月の席ですので、干支の話をしたいと思います。今年の干支は、「甲午(きのえうま)」です。「きのえ」とは、冬が明けて、春になり、草木の芽が、土の中から頭を出して、伸びていくという様を指すそうです。そこに「うま」という風の如く駆ける動物が合わさる年が、きのえうまです。我々も今年の干支にあやかり、駿馬(しゅんめ)が大地を駆け抜けるが如く、目標へと邁進し、新芽(しんめ)が土から天へと伸びるが如く、新たなステージへと突き抜けていきましょう。
 
最後になりますが、皆さんとご家族の今年一年のご健勝とご活躍を祈念し、新年の挨拶とさせて頂きます。


※これは、2014年1月6日に、住友商事グループ役職員向けに行われた年頭挨拶です。

本件に関する問い合わせ先

住友商事株式会社 広報部 報道チーム

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