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2009年01月05日
取締役社長  加藤 進

2009年 年頭挨拶

   

 

 

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皆さん、明けましておめでとうございます。ここ東京の晴海本社から、世界中の住友商事グループの皆さんへ、新年の挨拶を申し上げます。

 

 

 

 

◎ 取り巻く諸環境

昨年は、前半は7月の洞爺湖サミットの前後をピークとした資源価格の歴史的高騰とエネルギー問題、そして地球温暖化に代表される環境に対する意識の高まりなどが大きなトピックスでした。後半は、一転して100年に一度といわれる金融危機が発生し、その影響は、実体経済に急速に拡大していきました。マクロ経済指標が顕著に示すとおり、先進国はほぼ同時にリセッション入りし、新興国の成長も一気に鈍化しました。未曾有の経済危機はまだ先が見えず、引き続き状況を良く注視していく必要があります。

 

政治面では、テロとの戦いが長期化する中、経済成長を背景にBRICsが更に存在感を増してきたことにより、アメリカの指導力が相対的に低下し、一層の多極化が進みました。そうした中で、今月にはオバマ新政権が発足します。新大統領の下で、今後アメリカが国際社会において、どのような役割を果たしていくのか注目されますが、非常に難しい舵取りが求められることになるでしょう。他方、日本では、一昨年に続く突然の首相交代や、金融危機への対応といった問題もあり、未だ国全体の将来ビジョンをじっくり議論できる環境にはないように思われます。

 

住友商事総合研究所は、2009年を「政策総動員で成長軌道への回帰模索」の年と見て、世界の主要国が財政・金融政策を総動員して、最悪の事態を回避し、成長軌道への回帰を模索する年になると考えています。このように、足元の諸環境は非常に混沌としています。当社グループは、総合商社としてグローバルな舞台で、幅広いビジネスを行っており、こうした社会・経済動向の影響を避けることはできません。まずはこのことをしっかりと認識する必要があります。

 

 

 

◎ GG Planの総仕上げと次期中計に向けて

GG Planの総仕上げ

さて、これから3月までは、GG Planの仕上げの時期です。定量面を見ますと、上半期は、資源価格高騰等の追い風もあり、連結純利益は引き続き過去最高益を更新しました。一方、通期については、世界経済全体がはっきりと減速傾向を示す中、苦戦するセグメントも出てきました。残すところ3カ月ですが、順調に計画が進捗している所も、そうでない所も、それぞれが最後まで最善を尽くすことで、全社計画の達成に貢献すべく努力してください。

 

また、GG Planでは、「収益基盤」「オペレーション」「グループ経営」「人材および働き方」の4つの切り口から、「質の更なる向上」に取り組んできました。「質の向上」は、まさに現在のような経済環境を乗り越え、さらに、当社の長期に亘る持続的成長を支える基礎体力を養うためのものです。GG Plan期間中の課題について、積み残しが無いようにしっかりとフォローし、より頑強な体質作りに取り組みましょう。


 

次期中期経営計画に向けて

次に、この4月から始まる次期中期経営計画の基本方針2点について述べます。

 

次期中計の基本方針の第1点目は、「健全性や効率性を維持しつつ、価値創造力を高めることで中長期的な成長を図ること」です。「健全性や効率性の維持」は、とりわけ、現在のような先行き不透明な経済環境下で、事業活動を行うためのキーワードとなります。それぞれの現場で、自らの事業を見直し、選択と集中を徹底することで、より一層の体質強化に努めてください。その上で、トレード機能のさらなる向上やハンズオンでの事業価値向上に取り組み、真の意味での「価値創造力」を高めるのです。住友商事ならではのビジネスモデルを構築し、独自の価値創造力で、他との差別化を図りましょう。

 

基本方針の2点目は、「ビジネス毎の特性や強みを活かし、多様な道行きを通して全社の成長につなげる」ことです。当社グループが、ワンランク上の成長を実現していくために、リスク・リターン経営の継続と深化を図りながら、全てのビジネスラインがおのおのの特性や強みを伸ばすことで、全社の成長につなげるというメカニズムを作っていきましょう。自らのビジネスをいま一度見つめ直し、何が自分たちの強みなのかを把握し、不断の努力でその強みを強化してください。そうした地道な努力の積み重ねが、当社グループの新たなステージにおける成長シナリオを支えるのです。 

 

◎ 役職員へのメッセージ

私たちのありたい姿やそこに至る道筋は、今申し上げた次期中計の基本方針にも盛り込まれていますが、2009年を迎えるに当たり、役職員の皆さんへのメッセージとして、3点申し上げます。

 

危機の中でもチャレンジ精神を

1点目は、チャレンジ精神です。

私たちは、経営理念に掲げるとおり、「常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く社会に貢献するグローバルな企業グループ」を目指しています。時流を読み、変化を先取りするための大きなヒントは、社外アドバイザーの方から頂いた「将来を予測する最善の方法は、自ら未来を創ることだ」という言葉にあります。未来を自ら創るというチャレンジ精神は、住友の事業精神にも謳われる進取の精神(こころ)の真髄です。どのような時にあっても、失敗を恐れることなく、積極果敢に挑戦していきましょう。

 

また、このような厳しい環境は、私たち一人ひとり、さらには会社にとっても、新たな成長のチャンスでもあります。人は、逆境を乗り越えるべく最善を尽くすときに最も成長します。自ら打開策を探して徹底的に悩み、最後まで諦めずに努力することで、より大きな成長を目指してください。そして、徹底したコミュニケーションと強固なチームワークによって、個人の成長を組織全体の成長につなげていくのです。

 

逆境だからこそ、「前向きに、明るく」全社が一体となって、飛躍的成長のチャンスを追求していきましょう。

 

 

 

 過去に縛られない新しい発想と行動を

 

2点目は過去の経験に縛られない発想と行動です。

 

現在は、これまでの常識を覆すことが次々に起きており、当面は、何がどの程度の規模で起きるか予測が困難な状況が続くでしょう。過去の経験則だけで物事を考え、行動するだけでは、十分な対応はできません。想像力を働かせ、「これで充分か?他により良い解決策はないか?」と、常に自ら問いかける姿勢が大切です。過去の経験を生かしながらも、良い意味でそれに縛られることなく、新しい発想で、将来の健全な成長につながる具体策を考えてください。さらに、それを行動計画にまで落とし込み、できる限り迅速に且つ着実に実行に移してください。役職員全員の力で、経営理念に謳う「活力に溢れ、革新を生み出す」組織作りを実践していきましょう。

 

 

当社グループの役職員としての社会的責任の自覚を

最後は、当社グループの役職員に相応しい行動を心掛けることです。

 

昨年は、洋の東西を問わず、また公務員から私企業の役職員に至るまで、あらゆる層において倫理観や責任感の欠落を疑わせるような事件が世間を騒がせました。経済環境が厳しくなると、こうした不祥事はますます増加するかもしれません。しかし、住友商事グループにおいては、各人が高潔な倫理観を持ち、社会のルールを守り行動することが事業活動を行う上での大前提であり、この点は決して踏み外してはいけないということを、いま一度肝に命じて行動してください。

 

今年は住友商事の創立90周年にあたりますが、さらに遡れば、住友グループ400年の歴史があります。「住友」の先人の言葉に、「自利利他公私一如(いちにょ)」があります。すなわち、「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利する事業でなければならない」ということです。今日の住友商事グループがあるのは、私たちの諸先輩方が、その精神に則り、取引先・社会・従業員・株主といった、全てのステークホルダーに対して社会的責任を果たし、信用という財産を積み上げてきたからです。地球温暖化、エネルギー問題、食糧問題など、私たちの周りには、地球規模・人類共通の課題が山積しています。こうしたテーマについても、総合商社という立場から、効果的ソリューションを提供していくことが私たちの役割だと考えています。住友商事グループの役職員としての自覚と誇りを胸に、健全な事業活動を通じて、より一層社会に貢献していきましょう。

 

 

 

◎ 新たな年に向けて

 

以上が、新年を迎えるにあたっての私の思いです。

 

最後は、昨年に続いて干支の話をしたいと思います。今年の干支は「己丑(つちのとうし)」です。「つちのと」は、植物が十分生長し、形が整然としている状態を指すそうです。GG Planの総仕上げで「質の向上」を図っていることにつながるのではないでしょうか。また、「うし」は、力強く、どっしりとした構えで、着実に前進していく動物です。私たちも、世の中がパニックに陥っても決してたじろがず、自らの進むべき道を着実に前進していきましょう。

 

住友商事グループ役職員の皆さんとそのご家族の、ご健勝とご活躍を祈念して、2009年の新年の挨拶といたします。

 

 

以上

 

※これは、2009年1月5日、住友商事グループ役職員向けに行われた年頭挨拶です。

本件に関する問い合わせ先

住友商事株式会社 広報部 報道チーム

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