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2011年01月04日
取締役社長  加藤 進

2011年 年頭挨拶

~ Growing Together ~

取締役社長 加藤進皆さん明けましておめでとうございます。東京から、全世界の住友商事グループの皆さんへ新年の挨拶を申し上げます。

皆さんは年末年始どのように過ごされたでしょうか。私は、近場の温泉巡り、散策などしてゆっくりと過ごしました。おかげで新年に向けて心身ともにリフレッシュすることが出来ました。

 

◎当社を取り巻く諸環境

 さて、2010年を振り返りますと、世界経済は、金融危機に対する経済対策や、新興国経済の堅調な伸びにより、年前半は景気の回復を見ました。しかし、年後半には政策効果が剥落し、新興国ではインフレが進むと共に、先進国ではソブリンリスクに再び注目が集まりました。金融危機から既に2年以上が経過していますが、バランスシート 年頭挨拶の様子修復、レバレッジの引き下げという大きな世の中の方向性は変わっておらず、金融危機の影響による不安定さを残しての越年となりました。

また、国際情勢では、北京オリンピック・上海万博を経て、世界第二位の経済大国となった中国の存在感が更に際立つ中、先進国では、政権与党が国民の支持を失い、各国議会でネジレ現象が発生しています。各地での国際情勢の緊迫化とも相まって、政治的安定がやや損なわれた年であったと言えるかと思います。

住友商事総合研究所では今年を「踊り場を脱し、再加速する年」と見ています。年前半は昨年来の不安定さが残るものの、年後半には、先進国の経済が本格的回復に向かうと共に、中国経済も2012年の指導部交代を控え、堅調な経済成長を維持する見込みです。昨年の年頭挨拶で触れたような「地軸の変化」や「産業構造の変化」といったパラダイムシフトが継続する中で、今年は世界経済が回復力を取り戻す一年であるといえます。

 

◎「ありたい姿からのアプローチ」プロジェクト

さて、当社を含む総合商社は、これまで、経済・産業の発展の歴史の中で、発揮すべき機能・役割は何かを問い続け、その時々のニーズに応えながら、時代の変遷と共に商社機能を進化させることで、グローバル社会とともに発展してきました。

今日、経済構造が大きく変わるパラダイムシフトの中にあって、総合商社に対するグローバル社会からの期待の高まりは、かつてなく大きいものがあります。様々な産業に深くかかわり、グローバルなビジネス基盤を構築している当社にとって、活躍のできる事業機会は無限に広がってきています。

このような環境変化を強く認識し、昨年は、「ありたい姿からのアプローチ」プロジェクトを実施しました。その狙いの一つは、グローバル社会の発展を当社が支援することができるのではないか、またそれを当社自身の中長期的な成長の原動力につなげていけるのではないか、そのために当社は何を磨き、何を変えるべきなのか、このような点をそれぞれの現場であらためてレビューしてもらう、というものでした。パラダイムシフトという時代や世界の転換を自らのビジネスに置き替えて、いまやるべきことを皆さんに具体論で考えて欲しい、そのような想いがありました。

このプロジェクトに込めた私のもう一つの想いは、現場の一人一人が、日頃の殻を破って、一段高い視点、広い視野と、10年という長い時間軸の中で議論を行い、お互いの成長ストーリーを語りあって欲しいということでした。熱い想いを持って、その実現に向けたアクションを起こすこと。それによって、皆さんがこれまで以上に主体的・能動的に仕事をするモメンタムを作り出したい、そのような想いがありました。プロジェクトメンバーの活力に溢れた熱い想いが、周りの人達にも伝播し、この目的を達することができたと確信しています。

また、このプロジェクトは、10月の報告会以降も各職場でその趣旨が引き継がれ、組織を越えて協業や人材交流の取り組みが行われていることも承知しており、嬉しく思っています。全社プロジェクトとしては報告会にて一旦区切りを付けましたが、「中長期ビジョンを構想することから始めて現在の課題や戦略をより明確化・共有化する」という、このプロジェクトの考え方そのものは大事に継承していくつもりです。

 

◎FOCUS'10の仕上げと新中期経営計画

さて、今年は中期経営計画FOCUS'10の仕上げの年であり、新中期経営計画のスタートの年です。FOCUS'10では、中長期的成長の実現のため、健全性・効率性の強化に努め、多様性を活かしながら、「基盤の構築」「付加価値の向上」「収益の成長」という価値創造サイクルを着実に回していくことを進めています。

日ごろの皆さんの努力のおかげで、本年度は、順調な上半期決算となり、これを受け、2010年度の連結純利益の見通しを2,000億円に上方修正しました。この2,000億円という数字は2008年度以来の水準であり、リーマンショックの影響を克服して、ここまで当社の収益力が回復したことについて、皆さんの頑張りを大いに誇りに感じています。これは、まさにFOCUS'10の着実な実行の成果であると思います。

4月からは、次期中期経営計画がスタートします。次期中期経営計画では、10年先を見据えて策定したFOCUS'10の基本的な考え方を踏襲しつつ、価値創造サイクルを一層加速・強化することに力点をおいて、当社が更に大きく飛躍していくことを目指します。

具体的には、これまで培ってきたビジネスモデルやアセットの中身を今一度抜本的に見直し、より収益性や成長性の高いものへの入れ替えを、昨年以上に積極的かつスピード感を持って実行していきます。持続的な成長を実現するためには、時代の変化を先取りし、常に新しいビジネスモデルへの転換を進めていくことが必要です。新たなビジネスに触れることで、新しい価値創造に向かって活き活きとチャレンジする機会が生まれ、それにより人は大きく伸びると思います。そのような人材の成長が、会社の成長につながるはずだ、と私は信じています。住友商事グループの持続的な成長のため、次期中計ではビジネスモデル転換をさらに強力に進めていきたいと思います。

 

◎成長機会の実現に向けて

産業革命以来の歴史的転換点にあるとさえ言われる現在、当社が活躍すべきフィールドは目の前に大いに広がっています。これを会社の成長機会として捉え、一つでも多く実現していかなければなりません。そのためには、私たち自身が以下の3つの成長を実現していく必要があると私は思っています。

1つ目は、地軸の変化により拡がったビジネスチャンスを実現するための「グローバル人材の成長」、すなわち「地域横断的成長」です。


総合商社のみならず、あらゆる企業が熾烈なグローバルでの競争を展開しています。その舞台は、先進国はもちろんのこと、新興国へと拡大しています。そのような今こそ、それぞれのニーズやビジネスプロセスを熟知し、グローバルな視点で行動できる人材の役割がこれまで以上に重要になってきています。我々の目の前に成長機会が数多くあることと、実際にそれを実現できることは別の話です。言うまでもなく、ビジネスはそれを担う人材次第です。そうした成長機会を逃さないためにも、会社として、スピード感を持ってグローバル人材の成長を支援していきたいと考えています。そのために、それぞれの地域の皆さんが活躍できる機会をこれまで以上に増やしていきたいと思います。

2つ目は、時間を越えた持続的な成長を実現するための「世代を越えた成長」、すなわち「時間横断的成長」です。

会社の成長のために、個々人のレベルアップが必要なことはいうまでもありませんが、一段高い意識を持って、自身の成長だけでなく、周囲や部下の成長を手助けするよう心がけてください。心のこもったコミュニケーションを通じて、お互いに啓発し合いながら成長に繋げていきましょう。言い換えれば、個々人のレベルアップをベースとして、「世代を越えたチームワーク」を発揮していってほしいということです。これがひいては、自分自身の成長のスピードやレベルを一段高いものに引き上げることにもなります。

次世代人材の成長を支援することは、当社の経営理念の一つである「人間尊重」に繋がる基本姿勢であり、住友の事業精神から受け継いだ考え方です。人という財産の脈々たる繋がりを得たからこそ、住友グループ400年、当社90年の歴史があり、その多くの先輩方の努力の上に今の私たちがあるのだと思います。これからも100年、200年と持続的に成長していく企業であるために、私たち自身が謙虚に足元を見つめ、常に次世代に対して、新たなことにチャレンジする機会とモチベーションを与えていくことが大事です。

3つ目は、従来の総合商社の役割を越えて、ビジネスチャンスを実現するための「総合力の深化」、すなわち「機能横断的成長」です。

既にお話ししたとおり、地軸と産業構造の変化によって、当社が果たすべき機能・役割はより大きなものに変わりつつあります。例えば、社会基盤整備を一括して請け負ってくれる当社の能力に対する期待です。具体的には、発電所、製鉄所、資源調達、物流、金融、環境対応など広範なビジネスに関わるものですが、このような期待に十分に応えていくためには、一つの本部や事業部門だけでは十分に対応できないでしょう。それぞれの組織が成長した上で、その組織の力を結集した総合力をこれまで以上に発揮していくことが不可欠です。

場合によっては、官民連携で対応する必要も出てくるでしょうし、さらに言えば、当社が主体となってグローバルにパートナーを巻き込む必要が出てくる場合もあるでしょう。そうしたケースで当社に求められるのは、多くのパートナーの強み、機能をインテグレートする役割です。

組織という枠を越えた総合力の発揮と、会社という枠を越えた総合力の発揮が求められています。「内なる総合力」に加えて「外向きの総合力」へと深化していくことが必要です。そのためには、内外のパートナーが持っている力を結集する人間力、これが鍵となります。総合力の深化を実現するべく、我々は、新たな時代のフレームワークを形創る人材の集団へと成長していかねばならないと思います。

 

◎共に成長する

すべての前提にあるのは、人材の成長であり、個々人の成長です。一人ひとりが、それぞれの仕事を通じて成長することで、会社も成長します。皆さん一人ひとりの更なる成長のため、目の前の仕事に自信を持ってチャレンジするだけでなく、将来の自分自身のありたい姿を明確にした上で、今何をすべきかを考えてください。未来は明日作るものではなく、今作るものです。成長の機会は与えられるのを待つのではなく、自ら取りに行くべきものです。今年は個人のありたい姿への取り組みを主体的に行い、自分自身を磨く年にしてください。


パラダイムシフトを、「地域横断的成長」、「時間横断的成長」、「機能横断的成長」の機会と捉え、グローバル社会やビジネスパートナーと共に成長すること、住友商事グループの同僚や後輩と共に成長すること、一人ひとりが会社と共に成長すること。共に成長する、「Growing Together」、これが今年の私のキーワードです。いわば成長という「夢のたいまつ」をグローバルに、次世代に、全てのパートナーに拡げていきたい。そのために、前線に立つ皆さん一人ひとりの成長をサポートしていきたい、これが私の新年にあたっての想いであります。

終わりに、今年も世界の住友商事グループの皆さんとそのご家族のご健康とご活躍を祈念しまして、新年の挨拶といたします。

 

以 上

 

※これは、2011年1月4日、住友商事グループ役職員向けに行われた年頭挨拶です。

 


 

本件に関する問い合わせ先

住友商事株式会社 広報部 報道チーム

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