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2012年01月04日
取締役社長 加藤進

2012年 社長年頭挨拶

 

取締役社長 加藤進皆さん、2012年、新たな年がスタートしました。東京から、

全世界の住友商事グループの皆さんへ新年の挨拶を申し上げます。

 

 

◎当社を取り巻く諸環境

昨年は、東日本大震災、トルコにおける地震、タイの洪水といった、甚大な被害をもたらした大きな自然災害が世界各地で発生しました。また、中東民主化運動による政治体制の変化、米国財政赤字削減問題や欧州ソブリンリスク問題、或いは、先進諸国における格差社会への抗議運動など、世界中で政治、経済の両面において不安定な状態が続いた1年でした。

 

特に、東日本大震災では、実に多くの尊い命が奪われました。被災された方々は、今なお、困難を乗り越えようと必死に頑張っておられます。私たちは、各種人道支援に加え、産業復興に貢献するような息の長い支援を、今後も継続して実施して行く予定で、幾つかの取り組みを進めています。

 

さて、今年はどのような年になるのでしょうか。住友商事総合研究所は2012年を、「政治の年」を迎え、回復力が問われる一年になると予想しています。

年頭挨拶の様子

米国やロシアで大統領選挙が予定されているほか、中国では政権交代が見込まれています。各国において、選挙を見据えた経済政策に重点が置かれることから、それらの効果が徐々に表れ、景気減速に歯止めが掛かることが期待されます。一方で、ユーロ圏のソブリンリスク問題は構造的な問題も内包しており、短期的な解決は望めず、米国経済も、住宅問題や高止まりしている失業率などから今年も大きな改善を期待することは難しいと思います。日本も円高を初めとする困難に直面しており、苦しい局面が続くでしょう。また、こうした先進国の景気減速が、今まで世界経済をけん引してきた中国やインドなど新興国の高成長に影響をあたえることも考えられます。このように、当社を取り巻く諸環境は、引き続き高い不確実性の中にあり、大きな変化も起こり得る、と認識する必要があります。

 

◎謙虚に気を引き締めて

私たちは、昨年4月から新たな中期経営計画f(x)に取り組んでいます。このような経済環境にも拘らず、上半期は順調な業績となり、通期の見通しを2,200億円から2,500億円へ上方修正しました。これはひとえに皆さんの日頃の努力の賜物だと思います。しかし、上半期は特に資源価格の高騰などの追い風があったということも認識しなければなりません。我々だけの力で現在があるのではないことを認識し、謙虚に気を引き締めて、引き続き業務に取り組みましょう。

 

◎地球規模の課題

さて、より長期的な視点で世の中の変化を捉えてみたいと思います。
最新の国連のデータによれば、世界の人口は昨年70億人を突破し、今世紀の半ばまでに93億人にまで増える見込みとなっています。60歳以上の高齢者の数は、現在の約3倍の24億人に増え、また都市に住む人の割合は、現在の5割から、7割程度にまで増加する見込みです。こうした人口増加や都市化に対しては、更なる資源の確保や交通機関などの整備が、また高齢化に伴っては、医療や介護などの分野で新たなサービスが必要になってきます。

 

また、国際エネルギー機関によれば、2010年の世界の一次エネルギー需要は、先進国を中心に経済成長のペースが鈍化したものの、新興国の需要拡大が続いたことで増加し、二酸化炭素の排出量は過去最高となりました。これらの増加傾向は、今後も続くと見られています。更に、世界の原子力政策の見直し機運や、中東・北アフリカ諸国の政治的混乱により、エネルギーの需給バランスが大きく変化する可能性があります。昨年のCOP17でも議論されていた通り、環境問題にも、より一層配慮したエネルギー開発が求められています。

 

地軸や産業構造の急速な変化に伴って、多くのヒト、財貨、サービスなどが国境を越えて自由に、かつスピーディに移動する中、こうした地球規模の課題の解決に対して、多くの国家が共同して取り組んでおり、グローバルに活躍する企業にも、課題解決の一端を担うことが益々期待されています。

 

このような中にあって、私たちは、こうした大きな社会的課題を、社会全体が未来に向けて求めている「新たなニーズ」であると捉え、これらの解決に向けて、社内外の総合力を発揮しつつ、積極的に取組んでいく必要があります。例えば、人口増加に対応した、水・食料・エネルギーといった資源の確保やインフラ整備、また、循環型社会を目指したスマートシティの実現、或いは、高齢化社会への対応のための新たなライフスタイルの創造など、私たちが取り組むべきことは無限に拡がっています。

 

◎新たなニーズに応えるために

こうした地球規模の大きな社会的課題の解決に向けて、それを新たなニーズとして捉え、期待に応えて行くために、私たちはどのようなことを心掛けるべきでしょうか。

 

私からは、3点挙げたいと思います。
1つ目は、「そのニーズが具体的にどのようなものかを的確に把握し、対応すること」です。地球規模の社会的課題は、確かに全世界共通の課題ですが、その具体的な解決方法を考えるにあたっては、各地域の特性を考慮する必要があります。従って、地域によって様々に異なるニーズを出来るだけ正確に把握することが重要です。

 

2つ目は、「そのような社会的課題の解決は、様々なパートナーの力を結集する必要がある」ということです。世界には独自の強みを持つ企業や、その地域の特性などに精通している企業が多く存在しています。その中でも、お互いの考え方、志、倫理観や経営理念といった、価値感を共有出来るパートナーと取り組んで行くことがとても重要です。そういったお互いの価値観を共有できれば、多くの困難を乗り越えることが出来るはずです。

 

3つ目は、「長期的視点で取り組むこと」です。社会的課題とは、解決が容易でないからこそ、課題なのであって、その解決には高い壁をいくつも越える必要があるでしょう。時代の先頭に立って、より良い社会を創造するのだ、という志を持って、長期的視点で粘り強く取り組むことが重要です。現状の収益基盤の強化と拡大を図ることは我々の使命ですが、目先の結果だけに拘らず、私たちしかできないような大きな仕事に、果敢に挑戦していって貰いたいと思います。

 

さて、今述べてきたことは、正に、私たちが、f(x)で取り組んでいることでもあります。f(x)ではビジネスモデルの高度化・転換を進めていますが、これは新たなニーズに対応して、我々のビジネスモデルを変えていくことを目指しているものです。また、グローバルベースで総合力を深化させることで、世界各国での社会的課題の解決にも取り組んでいくことができます。

 

「グローバルベースの総合力の深化」においては、それぞれの地域組織の役割が極めて重要になります。各地の事情に通じ、現地のニーズを的確につかむ為にも、又、課題解決を進めて、共にビジネス展開できるパートナーを発掘する為にも、地域に根差した観察力と判断力が何よりも必要です。

 

このように各地域組織への期待は非常に大きいものがあります。地域組織の人材が、その力を存分に発揮し、新しいビジネスに主体的に取り組むこと、それによってビジネスが飛躍的に拡大していくことを期待しています。更に、これは地域組織だけ努力をすればいいというものではありません。商品戦略を担う本部との、なお一層緊密なコミュニケーションと戦略共有をベースに、現地でのアクションを一段と活性化していく必要があります。今年はそのための体制作りに力を入れていきたいと考えています。

 

◎ 共に挑戦する

私たちの先人たちは、信用・確実を旨とし、積極進取の精神で事業を興し、進歩発展させて来ました。また、「その事業は自分たちだけを利するのではなく、社会、国家を利するものでなくてはならず」、且つ、「国家百年の計」で事業を創造する、という気概を持って取り組んで来ました。このような高い志は、私たちの経営理念の、「常に変化を先取りして、新たな価値を創造する」、「広く社会に貢献するグローバルな企業グループを目指す」の中に、脈々と受け継がれています。

 

冒頭にも申し上げたとおり、経済環境は今後も不確実な状況が続くと考えておくべきだと思います。このような時だからこそ、より高い視点を持って、変化をチャンスと捉え、大きな課題に挑戦して下さい。

 

昨年、私はこの場で、共に成長するという言葉を皆さんに伝えました。今年は、世界中のパートナーと共に、新たなニーズに果敢に挑戦して行く、即ち、共に挑戦する、をキーワードとして、皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。

 

私は今年の書き初めに、「克服」「挑戦」「飛躍」の3つの言葉を選び、正に、「挑戦」という所に、心を込めました。

 

今年も世界の住友商事グループの皆さんとそのご家族のご健康とご活躍を祈念しまして、新年の挨拶といたします。


以  上

 

※これは、2012年1月4日、住友商事グループ役職員向けに行われた年頭挨拶です。

 

 

本件に関する問い合わせ先

住友商事株式会社 広報部 報道チーム

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