住友商事株式会社(社長:加藤進/以下住友商事)はこのほど業界に先駆け、ベトナム北部を起点とした中国華南地区を結ぶ陸路輸送サービスの定期便を開始した。8月末より週一回の定期輸送を開始し、9月中旬よりは週2便に増便する。これにともない、主要荷主であるキヤノン(中国)とともに9 月12日に中越国境の凭祥にて開始セレモニーを挙行した。セレモニーには日本大使館香川公使、中国広西省壮族自治区政府陸兵主席、両国税関などからも出席あり。
従来、中国-ベトナム北部の輸送は海上輸送が主であったが、華南地域-ハノイまで約一週間は必要であった。住友商事では海上輸送に比べて、実輸送時間およびリ-ドタイムの大幅な短縮を実現した陸路輸送サービスを2005年より提供していたが、緊急出荷に対応する為のチャーター便出荷であった。格段の定期性、定時性が確保される定期便を今回から就航させることにより、輸送モードの選択肢を増加させ、コスト・運行面で、新たな需要を掘り起こすこととなる。
定期便はキヤノンベトナムから華南地域にあるキヤノン(中国)の物流拠点へプリンターを週2便、配送するところから開始する。今後は中国からベトナムへの貨物輸送量も増加させ、双方向にて安定した定期陸路輸送にて両地域を結ぶこととなる。
住友商事は、中越陸路輸送と並行し、泰越陸路開発も手がけており、この中越陸路の定期化の次のStepとして泰越陸路輸送の定期化を年内を目処に計画中。中国からタイまで、中国とASEANを繋ぐ陸路定期輸送を実現させる予定である。
| <定期便開催セレモニー概略> |
| 日時 | : | 2007年9月12日 10:00~11:00 |
| 出席 | : | キヤノン株式会社(田原取締役、小澤取締役[キヤノン(中国)総裁]他) 住友商事株式会社(柴原取締役専務執行役員、北川中国総代表、他) 日本国大使館(香川公使) |
| | (中国) | 広西省壮族自治区政府(陸兵書記)、崇佐市政府(市長他) 自治区南寧市税関、凭祥税関、国境管理税関、 |
| | (ベトナム) | 関税総局、ハノイ税関、タンロン税関、ランソン税関 |
■中越泰陸路輸送とベトナム経済について
ベトナム北部においては中国の深圳、東莞、広州など華南諸都市とタイのバンコクと陸続きのラインの中間に位置し、中国とアセアンとの架け橋になり得る地理的優位性を持っている。しかし、裾野産業の未発達からくるベトナム外からの調達需要に比べ、脆弱な物流インフラ・輸送環境が指摘されてきた。こうした中、住友商事では輸送利用環境の改善をベトナム北部進出企業に対するサポ-トと位置づけ、2002年からベトナム北部を軸とし華南地区とタイを結ぶ陸路物流網の開発を進めてきた。開発ルートは中越(華南―ハノイ)間1400km、泰越(バンコク―ラオス・ビエンチャン―ハノイ)間2000km(当時。現在の泰越陸路は東西回廊の完成により約1,600kmとなっている。)。2003年度経済産業省(中越)、2004年度ジェトロ(泰越)の実証事業としてトラックによるトライアル輸送を実施。
両ル-ト共に一般的な輸送モ-ドは現状海路とされている中、トライアル輸送の結果、華南-ハノイ間の所要時間が約一週間掛かるところ陸路で二日(二泊三日)になる事を実証。また、海路で二週間近くかかるバンコク―ハノイ間も陸路で四日程度(三泊四日)になる事を実証した。更には(1)時短による在庫削減、キャッシュフロ-の改善、(2)柔軟な出荷対応等、陸路が持つト-タルメリットを把握し、進出日系企業のニ-ズが十分見込めると判断したことから、2005年秋ごろより、業界初の陸路輸送サ-ビス開始に踏み切った。ベトナム側はドラゴンロジスティクス社、華南側は華南住商国際貨運(深圳)有限公司、タイ側はナワナコンディストリビュ-ションセンタ-(NNDC)社といずれも住友商事物流関連会社ネットワークによる一貫輸送で引き受ける。
華南-ハノイ間については、同一経済圏の認識により華南からの部品調達のみならず華南向け製品配送も見込まれている。先月ハノイ在大手日系セットメ-カ-の華南調達部品並びに中国向け製品を預かり、コンテナによる往復トライアル輸送を実施。結果、今回の往復定期便実現に繋がったもの。
<住友商事のベトナムでの物流展開>
住友商事では1997年首都ハノイにタンロンインダストリアルパーク社を設立し、第一期、第二期約200ヘクタ-ルを開発。キヤノン、デンソ-、ヤマハ発動機、松下電器産業など日系企業を中心に46社が工場進出済であり、第一期・第二期は完売となっている。更に今年からは82ヘクタールを拡張する第三期についても販売を開始している。この団地内には住商の物流子会社ドラゴンロジスティクス社があり、通関・配送・保税倉庫をはじめとして総合物流サービスを日経進出企業に提供。住商独自のビジネスモデルである団地と物流サービスのコラボレーションによるご入居企業への総合サポ-トを実践している。
以上