
97年にタイで始まったアジア金融危機は98年に入ってロシアやブラジルにも伝染し、両国もIMF支援下に入った。一連の動きは世界金融システムの脆弱性を露呈し、グローバル経済のシステム危機と称される。IMF処方箋が批判を浴びると共に、ヘッジファンドの動きに焦点が当たり、短期資本移動規制の導入を叫ぶ声も高まった。こうして世界的な信用収縮と原油・商品市況が低迷するデフレ懸念の中で99年を迎えることになる。
米国では大統領のスキャンダルが脚光を浴びたが、中間選挙では民主党が健闘し、総じて現状維持の結果に終わった。
米国経済は、金融市場の乱高下、経常赤字の増大、企業収益の悪化などの不安要因を抱えながらも微妙なバランスを保ち景気拡大が続いている。99年には減速懸念が高まっているが、「最後の消費者」として世界経済の支えとなり続けられるか注目される。
99年の日米関係では米景気減速と対日貿易赤字が重なった場合の通商摩擦再燃、米議会での保護貿易主義の台頭が懸念される。
欧州では通貨統合の参加国決定を経て、いよいよ99年1月からユーロが正式スタートする。ユーロの強弱は勿論、円への影響も含め国際金融面での大きな変化要因となる。この壮大な試みの帰趨が大いに注目される。
ロシアでは、98年はめまぐるしく首相が交代したが、99年はポスト・エリツィンを巡って後継者争いが激化しよう。不安定な政治情勢の中でロシア経済は混迷の度を加え、98年はマイナス成長、ルーブルの暴落を余儀なくされ、民間対外債務支払の一時凍結も発表された。99年は市場経済路線で進むかどうかの瀬戸際となろう。
98年、アジア諸国では通貨/金融危機の影響が実体経済に及び、軒並みマイナス成長となった。この中で、タイ、韓国については底を打ち、99年には回復基調に戻るとの予測が増えている。インドネシアでは経済危機が政治危機に転じ、スハルト体制が崩壊した。同国の今後を占う上で99年6月に予定されている総選挙が重要な位置付けとなる。
中国では98年3月に江沢民/朱鎔基体制がスタートしたが、98年の8%成長目標達成は困難と見られる。人民元切り下げの有無など中国の経済運営は99年のアジア情勢の不安定要因となろう。
朝鮮半島では、突如、北朝鮮のミサイルが日本の頭越しに発射された。印パの相次ぐ核実験と共に、グローバル経済がトップニュースを飾る中で安全保障面での不安要因を想起させる事件であった。
中東ではワイリバー和平合意の履行及びイラク空爆後の展開が要注目である。
中南米も98年には世界的な金融不安の波に洗われた。99年はIMF支援下のブラジル経済の行方が焦点となる。
アフリカではクリントン米大統領の6ヶ国歴訪で同地域が注目を集めたが、いまだ民族紛争が絶えない。春に予定されている南アの第2回総選挙に注目したい。
98年はグローバル化が益々進む中での問題点が洗い出された年であった。99年はこれらへの具体的な取り組み策を模索する年になりそうである。
◆98年の世界貿易は、97年の前年比10%増から同4〜5%増に鈍化(WTO予測)。
◆アジアでは、輸出、輸入とも減少。しかし、輸入の大幅減により貿易収支黒字は拡大。
◆中南米では、輸出、輸入ともに減速。しかし、貿易収支の赤字幅は拡大。
◆米国では、好調な景気動向を背景に輸入が大幅増。経常収支赤字は過去最高水準。
◆EU諸国では、輸出、輸入ともに増加。
◆中東/その他の発展途上国は、国際商品市況の下落により輸出金額減少。
◆世界の景気動向:アジア諸国の減速幅縮小により、世界経済成長率は拡大しよう。
◆国際商品市況:特に原油価格の動向が注目される。
◆為替レート:EU通貨統合がどのような影響をもたらすか注目される。


◆アジア通貨・金融危機がロシア、中南米に波及。ロシア、ブラジルもIMFの管理下に。
◆アジア危機に対する処方箋、ロシア金融支援などでIMF批判続出。
◆有力ヘッジ・ファンド破綻。欧米有力金融機関にも影響。
◆世界的なデフレ傾向を警戒し、米欧で相次ぎ利下げ。
◆ドイツ銀行/バンカーズ・トラスト、シティ・グループ/トラベラーズなど米欧大手金融資本再編の動き。
◆米株式市場、大幅調整の後再び最高値更新。
◆欧州統一通貨ユーロの登場。ドルと並ぶ基軸通貨となりうるか?
◆国際金融制度改革
◆米国株式市場の行方。
◆新興市場不安は沈静化するか?

◆米国経済:インフレなき景気拡大、12月で93ヶ月目に突入。
◆米国政治:中間選挙で民主党事実上の勝利。ギングリッチ下院議長引責辞任。
◆米国外交:成果と挫折が混在し、リーダーシップが問われるクリントン外交。
◆カナダ経済:98年GDP成長見通しは2%台前半、アジア不況、米国GMストが影響。
◆カナダ政治:ケベック州総選挙でケベック党が勝利、分離独立の動きは微妙。
◆米国経済:景気減速懸念。エマージング・マーケットの動向。
◆米国政治:クリントン大統領弾劾手続きの行方。
◆米国外交:NATO拡大、中東和平の進展、対イラン/イラク政策
◆米国通商:大統領のファストトラック権限獲得なるか。
◆日米関係:米国の対日貿易赤字拡大と新議会の動向(保護主義ムード復活か)
◆カナダ政治:ケベック州選挙を受けての分離独立選挙の行方。


◆政治・社会:大統領選相次ぐ
◆経済:緊縮政策採用を余儀なくされる。
◆金融:途上国経済への信認低下に直撃される
◆外交:経済圏創設への歩み続く
◆政治:景気減速の中での大統領選挙
◆経済:双子の赤字対策が最優先課題


◆中国:第九次5ヵ年計画(96-2000年)では年平均8%成長が目標だが、98年は未達に。インフレ克服には成功したが、生産/在庫過剰、消費不振などデフレ現象が顕在化している。
◆香港:アジア通貨危機の影響が深刻化。香港ドル危機(6、8月)に直面したが株価は回復。
◆台湾:5年振りに台/中民間トップ会談が実現。辜振甫氏が北京で江沢民主席と面談(10月)。立法院選挙で国民党が過半数を得る予想外の勝利、台北市長の座も奪回(12月)。
◆韓国:「金大中氏」が大統領に「金鍾泌氏」が首相に(2月)。議院内閣制への改革で合意。
◆中国:
◆香港:景気はどん底を脱出するが、アジアの金融センターとしての地位を維持できるか。
◆台湾:98年第3四半期から景気減速が明白、景気回復は99年後半以降となりそう。
◆韓国:経済が水面下を脱し、プラス成長につなげることができるか。財閥再編が本格化。


◆タイ:
◆インドネシア:
◆マレーシア:
◆フィリピン:
◆シンガポール:
◆ベトナム:
◆ミャンマー:
◆インド:
◆パキスタン:
◆タイ:
◆インドネシア:
◆マレーシア:
◆フィリピン:
◆シンガポール:
◆ベトナム:
◆ミャンマー:
◆インド:
◆パキスタン:


◆地域経済:アジア地域への輸出が減少したものの、低インフレ下で安定した成長を達成。
◆欧州通貨統合参加11ヵ国決定。
◆ドイツに社民・緑の党連立政権、イタリアに初の共産党出身首相誕生。
◆欧州通貨統合参加11ヵ国、一斉利下げ、統一政策金利3.0%に。
◆中・東欧諸国:一部を除きプラス成長を持続。
◆北アイルランド問題、歴史的な和平合意。
◆EMU発足、経済規模で世界第2位の通貨圏誕生。
◆経済:ユーロ11ヵ国は成長を維持するも成長ペースはやや減速。


◆チェルノムイルジン内閣更迭(3月)下院キリエンコ首相承認(4月)
◆IMFを中心に226億ドルの国際金融支援が決定(7月)
◆ルーブル切り下げ等緊急金融対策実施(8月)
◆エリツィン大統領、キリエンコ首相を更迭し全閣僚を解任(8月)
◆プリマコフ新内閣誕生、共産党との事実上の連立内閣(9月)
◆小渕総理がロシアを公式訪問、「日露間の創造的パートナーシップ構築に関するモスクワ宣言」発表。(11月)
◆プリマコフ新内閣が総合経済対策を発表(11月)
◆国際宇宙ステーション着工(11月)
◆エリツィン大統領、肺炎で入院。江沢民主席とは病院で会談(11月)
◆法人税・付加価値税で大幅減税を先行 徴税率向上目指す(11月)
◆IMFと経済改革対立鮮明 年内融資実施見送り(12月)
◆エリツィン大統領の任期(2000年8月)前の退任はあるか。後継者レースはどうか。
◆99年12月の下院選挙の結果はどうか。
◆デフォールトの危機は乗り切れるか。IMFとの交渉はどうか。債権者との交渉はどうか。

緊急金融対策(8月17日)
(イ)ルーブルの切り下げ
(ロ)民間対外債務支払の90日間凍結
(ハ)非住居者債権投資の一時制限
(二)99年末までに償還期間が来る短期国債の新規国債への切り替え
◆イラン・EUの関係修復11カ月振りに進展(2月)
◆米軍機がイラク基地にミサイル発射(6月)
◆イスラエル、パレスチナ自治政府と米国で、「ワイ・リバー」和平合意文書調印(10月)
◆米大統領、アフリカ6カ国歴訪(3月)
◆エチオピアとエリトリアの紛争が激化(6月)
◆ケニア・タンザニアで米大使館同時爆弾テロ(8月)
◆コンゴ、再び内戦状態へ、周辺国が介入(8月)
◆第2回アフリカ開発会議「東京行動宣言」を採択(10月)
◆中近東全般、イラク制裁の解除、中東和平進展、サウジ政権交代、油価の動向、テロ活動の激化の恐れ。
◆サウジアラビア、国王の健康問題と皇太子への実権移行、石油価格と景気の動向
◆ヨルダン、フセイン国王体制の動向
◆イラン、油価低迷と外貨不足による再リスケ、米国の経済制裁の解除の可能性
◆東アフリカ(リトアニアからザンビアまで、ルワンダ、ブルンジ以東・・・・・
◆南アフリカ共和国、第2回総選挙の動向、黒人の地位向上と白人主導の経済への影響


(国際調査チーム・地域調査担当)