資源・化学品事業部門 - 事業概要
銅は導電率や熱伝導性に優れ、抗菌作用や耐食性もあり、加工もしやすい金属です。こうした特性から、電線やケーブルをはじめ、電気・電子製品、自動車部品、キッチン用品、建材など、幅広い分野で使用されています。
鉄に次いで用途が広く、産業・経済の発展に重要な役割を担う「銅」の安定供給によって日本ひいては世界経済の成長に貢献するため、住友商事では積極的に銅事業に取り組んでいます。

輸出前の銅地金。国内外の電線メーカー、伸銅品メーカーに販売後、通信・電力や自動車メーカーなどで製品化される
住友グループの事業の起源でもある銅。当社は1950年代後半より、海外鉱山で採掘される銅精鉱(銅鉱石を処理し、銅含有率を20~40パーセント程度まで高めたもの)を非鉄製錬会社に供給するトレードビジネスに注力してきました。現在は、世界で流通している銅精鉱の約1/4を日本が輸入していますが、当社はその取扱いビジネスにおいて重要な地位を占めています。
トレードビジネスの推進のため銅権益を確保するべく、当社は銅鉱山への投資も積極的に行ってきました。その歴史は古く、1962年に初めて海外鉱山への出資を行い、複数の実績を重ねて銅権益を確保し、銅精鉱の取扱量を拡大していきました。この流れの中で2011年5月に、2014年の生産開始を目指すチリのシエラゴルダ鉱山開発プロジェクトへの参画を実現しています。

露天掘りを行うバツヒジャウでは、周辺環境に影響を及ぼさないよう、排水処理を行っている
鉱山へのマイノリティ出資により鉱山運営に対する知見を深めてきた当社は、1990年代からさらなる成長を求め、巨大プロジェクトへの参画を行っていきました。
具体例として、インドネシアのバツヒジャウ銅金鉱山事業への参画が挙げられます。当時としては画期的な商社による30~40パーセントの出資(シグニフィカント・マイノリティ)による参画を行い、より事業主に近い立場で生産計画から資金調達、販売、環境対策、政府対応までプロジェクト全体に深く関与することで、鉱山運営に必要な人材、ノウハウを蓄積、深化させてきました。この結果、当社の銅権益を大幅に増やすと同時に業界におけるプレゼンスを高めることとなりました。

美しいサンゴ礁が周囲に広がる、バツヒジャウ銅・金鉱山
インドネシア中部のスンバワ島に位置する世界有数の銅・金鉱山であるバツヒジャウ鉱山事業には1996年に参画しました。同鉱山は大規模鉱山としては珍しく熱帯雨林地帯にあり、ここで露天掘り採掘を行うため、当社は事業パートナーとともに高レベルの水管理技術を導入してきました。
さらに注目される点の一つが、生態系と環境への対応です。
バツヒジャウには希少種の野鳥が棲息しているうえ、周辺にはウミガメの産卵地やサンゴ礁などもあります。そこで当社はこの対応を鉱山運営の大切な要素の一つとして捉え、厳しい環境水準を満たす坑排水循環システムの構築などを通して、生態系と環境の保全に努めています。
加えてバツヒジャウでは、一般の鉱山では閉山後に取り組む再緑化を、操業と並行して実施しています。この取り組みを実現するため、8年におよぶ大規模テストを行い、独自の再緑化技術を開発し、採掘を行いながら森林の修復を進めています。