資源・化学品事業部門 - 事業概要

マダガスカルの首都、アンタナナリボ
レアメタルと呼ばれるニッケルは、ステンレス鋼のほか、電池材料、電子材料などに幅広く利用され、とくに携帯電話需要などの急伸に伴って世界的に需要が高まっています。しかし、ニッケルは限られた場所にしか存在しないという特殊性があるうえ、大手生産者の寡占により、新規参入のハードルが非常に高いのが現状です。
こうした状況を打破し、新たな大型鉱山の開発によってニッケル需要の伸びに応えようというのが、住友商事グループがマダガスカル共和国で進めている世界最大規模のニッケル鉱山プロジェクト「アンバトビー・プロジェクト」です。

現在建設中の精錬プラント
当社がアンバトビー・プロジェクトに参画したのは2005年10月。世界最大級規模のニッケル鉱山で、採掘から地金精錬を同一国内で一貫して行うという世界的にも稀なプロジェクトです。カナダの精錬会社とエンジニアリング会社、韓国の資源開発推進公社という国際的チームを構成し、この大規模プロジェクトのオペレーションを担います。本プロジェクトは、日本・カナダ・韓国の3国共同による世界最大規模のニッケル開発プロジェクトとしても、注目されています。また、日本・韓国というニッケル需要国が共同推進する初めての資源開発案件で、将来にわたる両国の経済協力という側面からも、意義深いプロジェクトといえます。
生産量はニッケル地金が6万トン(2011年推定で世界市場シェア4パーセント)、コバルト地金が5,600トン(同、世界市場シェア9パーセント)。鉱山開発から地金精錬までの一貫生産事業者として、事業を推進していきます。

移住村に小学校を建設し、13歳以下へ無償で教育を提供
このプロジェクトを推進するに当たって懸念されたのが、政情不安などのリスクでした。サイト建設が順調に推移していた2009年3月、マダガスカルでは政変が勃発。クーデターによって、選挙を経ない暫定政権が発足しました。一時はプロジェクトの先行きが懸念されましたが、現場には全く影響がなく、現在は順調に建設が進んでいます。
今回のように、政変にもかかわらずプロジェクトが順調に進んでいるのは、国際的なチームが一丸となって「このプロジェクトがマダガスカルの将来にとって極めて重要なものであること」を伝える説明会などにより、政府や地域住民の間にプロジェクトの意義が広く定着していることが挙げられます。今後、輸出が始まれば、マダガスカルへの大きな経済効果も期待されており、それがプロジェクトへの国民全体からの支持に結びついています。