資源・化学品事業部門 - 事業概要

レアアースの活用により、自然にも、地域住民にも配慮した電力供給が広まっています
ハイブリッドカー、電気自動車、風力発電、有機ELディスプレイ……。日本の先端ハイテク産業、とりわけ環境対応型産業の核となる製品づくりに欠かせない“レアアース(希土類)”。「産業のビタミン」と呼ばれるこの貴重な資源を、いち早く日本へ安定供給できる道を住友商事が開きます。しかも、環境にやさしい資源開発で。
レアアースとは、レアメタルの一種。燃料電池の効率を高めるスカンジウム、ハイブリッドカーや電気自動車の駆動モーターに使われるネオジム磁石や、発光体の製品化に必須のテルビウムといった17元素の総称です。たとえばネオジム磁石にディスプロシウムを添加することで高耐熱性が実現できます。これを風力発電機に使用すると、発電効率が良くなり、しかも故障しにくい設計が可能になります。さまざまな理由から風力発電所を沖合いに設置しようという動きが高まっていますが、希土類磁石を使った風力発電機はこれに合致するものとして注目されています。

ウラン鉱残渣。現在調査中のカザフスタンの残渣埋蔵量は、推定1.5億トンにものぼる
レアアースの埋蔵量が多いのは、中国(31%)、CIS(独立国家共同体/22%)、アメリカ(15%)、オーストラリア(6%)、インド(1%)と言われます。ところが生産量は、世界(12.4万トン/2007年実績)の97%を中国が占めているのが現状。中国以外で生産が進まない理由は大きく2つあります。1つは、資源はあってもウランやトリウムといった放射性物質を含有することから、その処理体制を整えることが難しいこと。もう1つが、17種のレアアースが同時に採取されるため、17種をまんべんなく販売できないと採算が合いにくく、新規参入のハードルが高いことです。こうした理由から、世界は10年以上も、その生産を中国に頼ってきました。ところが中国ハイテク産業の育成・成長を背景に、中国政府が年々輸出を抑制。新たな供給先の確保が必要になってきたのです。