生活産業・建設不動産 - 事業概要

欧米各国で普及率の高いウッドペレット。エコマスではドイツ製の機械と技術を使い製造している
一方、木材資源を生かしてチリの一般家庭もターゲットにした事業が、ウッドペレット製造事業です。
ウッドペレットとは、木材加工工場から排出されるおがくずを乾燥して固めた燃料。火力こそ化石燃料に劣りますが、煙の排出が抑えられ環境負荷が少ない点、何よりも廃材利用による資源の有効利用という点で大きな意義があります。
石油資源の乏しいチリでは原油国際価格の高騰が悩みのタネ。暖房などにまきも多く用いられていましたが、煙害が問題視されていました。これらを解決する切り札として、ウッドペレットが有効ではないかとの狙いで、チリ住友商事が現地の木材加工会社と共同で、事業会社エコマスを設立。ウッドペレットの製造へ2006年に乗り出しました。
当時チリではウッドペレットへの認知はまったくなく、市場はゼロ。そこでエコマスではウッドペレット専用ストーブをホームセンターでデモンストレーションしたり、学校や病院といった公共機関に売り込んだりと、普及に力を入れたところ、認知度が徐々に上昇。現在の生産量は年間約2万トンで、市場シェアは9割にも達しています。ゼロから市場そのものを創造してきた、非常に挑戦的なビジネスといえます。

サンティアゴ市内のパン工場。後ろに見える窯の上部に入っているのがウッドペレット
実はチリは、1人あたりのパン消費量が世界第2位といわれることもある、パン大国。首都サンティアゴだけでも約800ものパン工場が稼働し、年中煙を吐き出しています。燃料は輸入ディーゼルで、製造原価に占める割合は6割にも達しており、そのコスト削減はパン店主たちの大きな悩みでした。その解決策として期待されるのがウッドペレット。ウッドペレットで焼いたパンは、昔ながらの風味で美味と消費者にも歓迎され、パン工場での需要が着実に増えています。また、温水プールの燃料やハムの加工工場等での利用も広がっています。

アンデス山脈を背に高層ビルが立ち並ぶサンティアゴ市街の様子
ちなみに「エコマス」の“エコ”はエコロジー、エコノミーから取り、“マス”はスペイン語でさらに(more)を意味します。さらにエコロジー、さらにエコノミーなバイオ“マス”という意図で付けられたのが「エコマス」という会社名です。
こういったバイオマス燃料は物流による環境負荷を避け、地産地消であるべきという考えから、輸出は予定していません。あくまでチリの人々のために、チリの森林資源を利用していくつもりです。
ユーカリの植林によるチップの製造と、林業副産物であるおがくずを利用したウッドペレット製造を通して、チリの林業の新しい可能性を追求する事業。住友商事では時間をかけてこれら事業の幹をさらに太いものに育てていきたいと考えています。
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2012年1月掲載