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広報パーソン 世界探訪記

住友商事が総合力を発揮するフィールド 成長市場 ベトナム

  • ベトナム
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2016年11月掲載

報道チーム 田部 涼太朗

2009年入社。入社後は一貫して海外店舗の運営管理業務に携わり、2012年から2年間トレイニーとしてロンドンにて勤務の後、2016年4月に広報部に異動。オーストラリアからの帰国子女で、高校時代は野球で名の通った強豪校に所属。大学時代はタイに留学経験があり、特技はタイ語。

正直なところ、ベトナムと聞いても、フォーや生春巻き、もしくは民族衣装のアオザイくらいしか思い浮かばない。一方、ビジネスの世界ではベトナムはASEAN(東南アジア諸国連合)の中でも成長著しい国として注目されている。 そんなベトナムは、住友商事にとっても当然、重要な市場の一つである。日本の総合商社として最大の陣容を誇り、鉄鋼、インフラ、工業団地、物流、輸送機、化学品、エネルギー、食料と多様なビジネスを手掛けている。

このたび、ベトナムを訪問する機会に恵まれた。改めて当社がベトナムで行っている幅広いビジネスについて紹介したい。

ベトナム住友商事の多様な人材

当社がベトナム詳細に進出したのは、今から60年以上前の1955年。まずサイゴン(現在のホーチミン)に駐在員事務所を開設した。2007年には、海外法人(ベトナム住友商事)を設立し、現在はハノイ本社、ホーチミン支店、ダナン事務所の3拠点を設置している。

今回はハノイ本社、ホーチミン支店を訪問した。今回訪問したオフィスでは、大半のベトナム人社員が31歳の私より若いように見受けられ、雰囲気が非常にフレッシュであった。詳細さらに特筆すべきは、女性社員比率が非常に高いことである。当社も「女性の活躍推進」を重要な経営戦略の一つと捉え、さまざまな施策を講じて支援している(※1)が、ベトナム住友商事においても「女性の活躍推進」がさらに実践できているようだ。

当社は、2013年よりグローバル各拠点を広域4極にまとめており、ベトナム住友商事はその一つ「アジア大洋州」に属する。同地域を統括するアジア大洋州総支配人の関内雅男が、ベトナムの事業会社を視察することになり、私もそれに同行する機会を得て、ホーチミン市近郊のバリアブンタウ省・ドンナイ省にある事業会社2社を訪問した。

※1人材の活用 ―多様な人材活用―

ベトナム住友商事ハノイ本社のメンバー

ベトナム住友商事ハノイ本社のメンバー

ベトナム住友商事ホーチミン支店のメンバー

ベトナム住友商事ホーチミン支店のメンバー

価値創造拡大の源となるスチールサービスセンター

サイゴンスチールは、当社が50パーセントを出資するスチールサービスセンターで、鋼材の加工および販売を行う事業会社だ。ベトナムに限らず、鋼材の加工・販売は、当社が長く手掛けてきた伝統的なビジネスである。当社はハノイ、ダナンでもスチールサービスセンターを運営しており、サイゴンスチールと合わせ3社でベトナム全土をカバーする体制を敷いている。サイゴンスチールは表面処理、冷延・熱延、ステンレスなどさまざまな鋼板の加工が可能で、加工した鋼板は家電や建材、自動車関連部品など、幅広い用途で使用される。顧客からの受託加工と自社材販売を収益源とし、今年度も業績は堅調とのことだ。工場の中では薄板を巻いたコイルが3段に積まれ、ベトナム人社員が、切断機や梱包機、クレーンなどを慣れた手つきで操作していた。

サイゴンスチールは、加工委託先と販売先を合わせると在ベトナム日系企業や現地企業など約130社と取引があり、利益を上げるのみならず、現地優良企業との良好な関係を構築・維持するという観点からも、当社にとって非常に重要な事業会社である。日々、変化する市場ニーズを確実に取り込み、鋼材に限らず、住友商事グループとして新たなサービスを提供する機会創出を目指している。サイゴンスチールがベトナムで築いたネットワークは、ベトナムにおける当社の強みとなっている。

  • 工場の外観

    工場の外観

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    工場内には
    さまざまな機械が立ち並ぶ

  • 積み重なるコイル。重さは1つあたり約10トン

    積み重なるコイル。重さは1つあたり約10トン

 

製粉事業でベトナム人の胃袋をつかむ!

サイゴンスチールから車を走らせること約40分。薄緑色の大きな建物が見えてきた。
小麦粉およびミックス粉などの製造・販売を行うCJ-SCグローバルミリング(CJSC)(※2)である。韓国の食品大手(CJCJ)が51パーセント、住友商事グループが49パーセントを出資する同社は、2015年6月に操業を開始しており、工場はまだ新しい。ベトナムの人口増加に伴い拡大する食料需要に加え、中間層の拡大に伴い、食文化がより多様化・西洋化していくことが想定されたことから、小麦粉・小麦粉関連製品の需要増加を見据えて、製粉事業に参入したものだ。当社が持つベトナム小麦粉市場での販売ノウハウと、CJCJが製粉事業で培った最新鋭の高付加価値製粉技術を融合させることにより、ベトナム国内で水産加工品やベーカリーといったハイエンド向け市場を中心に急速にシェアを伸ばしている。CJSCは、8本の大きなサイロを保有しており、工場は8階建て。サイロに搬入した小麦は、精選、調質、ふるい、純化といった製粉工程を経て完成品となる。

工場内にキッチンを有しており、製造された小麦粉やミックス粉はこのキッチンでパンやフライに加工されて試食できる。自社製の商品の品質にはこだわりを持ち、その品質がベトナムにおける競争力の源となる。タイやインドネシアなどアジア諸国への輸出も拡大しているが、現在は約9割がベトナム国内で消費されているとのこと。「食」の分野は一般消費者になじみやすい。CJ-SCが製造する質の高い商品は、当社がベトナム食品市場のインサイダーになるためにも重要な役割を果たすことが期待される。

CJ-SCの外観<br >
中央左はアジア大洋州総支配人の関内、<br >
右から2人目はベトナム住友商事社長の辛島裕

CJ-SCの外観
中央左はアジア大洋州総支配人の関内、
右から2人目はベトナム住友商事社長の辛島裕

作りたての小麦で焼くパン<br >
ジャムやバターなしでも十分おいしい

作りたての小麦で焼くパン
ジャムやバターなしでも十分おいしい

  • ローラーミルで小麦を粉砕する

    ローラーミルで小麦を粉砕する

  • 小麦の粒はシフターと呼ばれる大きなふるいにかけられる

    小麦の粒はシフターと呼ばれる
    大きなふるいにかけられる

  • 細かい表皮の破片を取り除き純化する

    細かい表皮の破片を取り除き純化する

 

※2ベトナムにおける製粉事業合弁会社の設立について

ホーチミン都市鉄道1号線

翌日はホーチミン市内を視察した。首都ハノイと比較して商業施設や飲食店が多く、発展している印象があった。この夏には、高島屋もホーチミンに進出、オープン当日に早朝から並んで1番乗りで入店したのは、当社派遣のトレイニーであったとのこと。そんな彼が従事しているのが、2012年5月に当社が現地ゼネコンと共同受注した、ベトナム初の都市鉄道、ホーチミン都市鉄道1号線(※3)である。

交通インフラは、経済発展の基盤であり、さらなる発展のためにも重要な役割を果たす。特に、経済発展の最中にあるホーチミン市においては、モータリゼーションが進む中で、渋滞、交通事故、大気汚染が社会問題となっており、公共交通機関の整備が喫緊の課題になっている。この観点から、都市鉄道1号線はホーチミン市における最重要案件の一つであり、当社にとっても意義深い案件だ。

都市鉄道1号線は、市中心部のベンタイン市場から市東北部に位置するスオイティエンまで総延長19.7キロメートルの都市鉄道で、当社はそのうち17.2キロメートルの高架工事(11駅の建設を含む)および車両基地建設工事を担当している。

私が訪れたのは、タオ・ディエン駅になるエリア。既に駅の面影があり、2階のコンコース、改札を通って階段を上がればプラットフォームにたどり着くというイメージが容易に想像できるところまで工事は進んでいた。2012年にスタートした工事は、2020年の完工に向けて現在も着実に進行中である。

タオ・ディエン駅の外観

タオ・ディエン駅の外観

高架区間はかなり建設が進んでいる

高架区間はかなり建設が進んでいる

ベトナムの成長、ビジネスの創出に貢献

私が訪れたビジネスの現場は、当社がベトナムで手掛けているビジネスのほんの一部である。さまざまな事業を手掛けることにより、当社はベトナムの成長を点ではなく多層の面で捉えることができる。そのポートフォリオ自体がベトナムにおける当社の強みであるといえるだろう。このポートフォリオが有機的に混ざり合い、総合力を発揮することで、さらに新しいビジネスを生み出すことが可能となる。

今回、当社が手掛ける事業やプロジェクトの現場を訪問し、各ビジネスに従事する派遣員が組織の分け隔てなく、住友商事グループの一員として、ベトナムで新たな価値を創造しようと奮闘している姿が非常に印象的だった。今回、多くの社員と話をしたが、それぞれが自身の仕事に誇りを持ち、ベトナムの成長に貢献したいという熱い思いを持っていることがひしひしと伝わってきた。

ベトナムは親日国であるが、ベトナム人がより日本のことを好きになってくれれば、日本人として非常に喜ばしいことだ。そのためには、「日本ならでは」の価値を幅広く提供し、より多くの人に日本の良さを知ってもらうことが重要であり、私たち日本企業が果たす役割は非常に大きいと考えている。

今回の訪問で、当社がベトナムの成長にさまざまな形で貢献しており、当社の社員も日越の架け橋となるため日々奮闘していることを改めて実感することができた。今後、ベトナムと当社はどう成長、変革していくのか、引き続き注目いただきたい。

ベトナムの事業会社で働く派遣員の懇親会<br >
それぞれが勤務する事業会社、仕事内容は異なるが、一体感のある盛り上がりを見せた

ベトナムの事業会社で働く派遣員の懇親会
それぞれが勤務する事業会社、仕事内容は異なるが、一体感のある盛り上がりを見せた

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