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広報パーソン 世界探訪記

繋がりを大切にする国マダガスカル。
資源開発ビジネスの知られざる一面(ページ 1/2)

  • マダガスカル
  • 資源・化学品事業部門
  • 鉱物資源

2013年8月掲載

報道チーム 中溝 葵

2005年入社、現在の油井管事業部へ配属となり、中国・米州向けなどの輸出を担当。
入社当時からの、早く海外で働きたい!という希望が叶い、2008年に米国ヒューストンでのトレイニーへ(※)。名だたるオイルメジャーへの営業活動の傍ら、現地駐在員のソフトボール大会の幹事に任命される。1年後、住友チームは悲願の初優勝を果たし、その快挙を胸に帰国。
2012年10月から広報部にて報道対応を担当。

※ 主に若手社員を対象とした海外研修生制度の一つ

アフリカという可能性

2013年6月1~3日に行われた第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)。Tokyo International Conference on African Developmentの略称で、アフリカ54カ国の内51カ国が参加し、内39カ国からは首脳が来日。アフリカの安定した成長を進めるために日本がどのように協力すべきかを議論し、民間投資を原動力として成長を促す「横浜宣言」が採択された。21世紀半ばにはほぼ間違いなく世界経済にとって重要なプレーヤーへと成長するとみられている「最後のフロンティア」に、本会議を踏まえ本格参入の検討を開始した企業も少なくないだろう。

マダガスカルで当社が参画しているニッケル・コバルト鉱山開発事業のプラント

チャンスの宝庫マダガスカル

マダガスカルと聞くとニューヨークの動物園のスターたちが間違って上陸してしまった、あの世界中でブームを巻き起こしたアニメーション映画の舞台というイメージを持つ人が多いだろう。都会っ子のライオンやシマウマが“Where are the people?”と叫んでしまうほどの大自然に包まれたキツネザルの楽園。人口は約2,200万人、島中央部の首都アンタナナリボに約200万人が集中しており、日本の約1.6倍の広さの島の他の地域では、なかなか人に会わないこともあるかもしれない。マダガスカルは、特徴的なコブのあるゼブ牛のステーキなどが名物料理で、高品質のバニラエッセンスや香水類の生産地としても知られている。近海で釣れるウナギ「アンギラ・モザンビカ」がニホンウナギと似ているため、2012年から日本への輸入が始まったのも話題になっている。

この島国の中央部に、豊富なニッケル・コバルト資源が眠っていることは以前から分かっていた。しかし、資源の存在は確認できても、掘削から輸出までのスキームをゼロからつくりだすことは決して簡単ではない。カナダの精錬会社、韓国の資源開発公社と当社で組み、30年間のニッケル・コバルト鉱山開発事業「アンバトビー・プロジェクト」を行うための工事に着手できたのは、検討を開始した1980年からほぼ30年後の2007年のことだった。

 

当社社員が現地の動物保護区内で撮影したマダガスカル固有種、ベローシファカの親子

資源開発に不可欠なソーシャルライセンス

膨大な資金を投じて未開の地を開拓し、鉱山運営を手掛ける資源開発は、就職活動中の学生にも人気が高く、商社パーソンのロマンそのものと表現されることも少なくない。そんなイメージが先行しやすい資源開発の重要な取り組みの一つが、国や地域の人々との共生である。外資系企業による鉱山開発は国にとって大きな経済発展が期待され、加えて「ここで事業をやってくれてよかった」「生活が以前より良くなった」と地域住民に感じてもらえて初めて、そのプロジェクトの成功を意味する。

これは鉱山開発などのCSR活動の根幹である「ソーシャルライセンス」というコンセプトに基づくものだ。企業が現場の環境や地域住民の生活を無視して産業活動を行うのではなく、広く地域に貢献することが事業活動を行う上での企業が果たすべき責任、という考え方が、欧米で始まり世界中に浸透している。地元コミュニティーから「ここで事業を行ってもよい」という社会からの免許、ソーシャルライセンスを取得できなければ鉱山開発に取り組むべきではない、という考え方である。「アンバトビー・プロジェクト」でも100人以上のCSR専任スタッフを抱え、事業活動の中に取り込んでいる重要な業務だ。

住友商事は以前からこの考えに通じる理念を掲げている。その一つに「自利利他公私一如(じりりたこうしいちにょ)」という住友の事業精神を伝える言葉があり、「住友の事業は住友自身を利するとともに、国の発展に貢献し、社会に貢献し、社会から尊敬される事業でなければならない。」という思いが込められており、「アンバトビー・プロジェクト」でもまさに実践している。

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