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高品質な農薬を世界に届け、食糧の安定生産に寄与する

2017年6月掲載

増え続ける人口を支えるツールとしての農薬

日本の人口は減少局面に入っていますが、世界の人口は今も増え続けています。現在の人口はおよそ73億人。これが2030年には85億人、50年には100億人近くに達すると国連は予測しています。人口が増えれば、それだけ多くの食糧が必要とされますが、地球上の耕地面積には限りがあります。農作物の生産量を増やすには、単位面積当たりの収量を上げていかなければなりません。

そこで重要になるのが、農薬の力です。殺虫、殺菌、除草などの効用を持つ農薬を使用せずに農作物を栽培しようとすると、米で24パーセント、小麦で36パーセント、リンゴのような果実に至っては97パーセントも収量が減少すると言われています(農薬工業会発表のデータより)。農薬を上手に活用して農作物の生産性を上げていくことは、世界共通の課題と言っていいでしょう。

日本の農薬メーカーは、研究開発力において世界でトップクラスです。15年での世界の農薬メーカーの売上高上位20社中、日系メーカーは3社ですが、1999年から14年の16年間に世界で新規に発売された農薬147品目中、日系メーカー品は43品目と約3割を占めています。さらに、高品質な農薬を生産しているメーカーが日本国内にたくさんあります。そういった日系メーカー各社が製造する農薬を世界中に届け、農作物の生産性向上に寄与すること。これこそが、住友商事の農薬ビジネスの最大のミッションです。

ルーマニアのアルチェドを通じ、農薬をはじめ種子、肥料など幅広い商品を農家に直接販売する新たな事業領域に進出した

農薬輸出のリーディング・カンパニー

当社が日本製農薬の輸出を始めたのは、1970年代のことです。以後、今日まで輸出、さらに海外各国の事業会社を通じて業容を拡大し続けてきました。現在、農薬の輸出先国は世界90カ国。この中には、農薬消費上位20カ国中の15カ国が含まれています。

また、住友商事グループの扱い高は、日本の農薬総輸出額に占めるシェアにおいて高い水準にあり、今後も輸出先国の拡大に連動し、扱い高も増えていく見込みです。

90年代以降、ビジネスの領域を農薬輸出先各国での輸入・卸売りにまで拡大し、日系品の農薬を中心に、種子や高機能肥料なども各国市場のニーズに応じて輸入・卸売り販売するモデルを構築しました。このモデルは、現在30カ国を超えて広がっています。

さらに2010年代に入り、海外の農業資材問屋を買収し、農薬をはじめとする農業関連商品を農家に直販するモデル(農業資材直販事業)にも進出しました。現在、このモデルのもとに経営されているのが、11年に子会社化したルーマニアのアルチェドと、同じく15年に子会社化したブラジルのアグロ・アマゾニアです。

日本のメーカーが製造する高品質な農薬を海外に輸出し、現地で輸入・卸売業を手掛け、さらに農家に直販するチャネルも構築する──。農薬のバリューチェーンの川上から川下に向けて事業を拡大してきたのが、この40年あまりの住友商事の農薬ビジネスの歩みです。

畜産業向け資材と農業向け資材の双方を扱うブラジルのアグロ・アマゾニアは、農家の需要拡大を受け店舗数を伸ばしている

バリューチェーン全体で発揮されている強み

日本国内においては大半の主要メーカーから農薬を仕入れるネットワークを持ち、海外においては総合商社ならではの輸出網をフルに生かして世界中に日本製の農薬を届けることができる。さらにバリューチェーンの川下においては、住友ブランドが持つ信用力、ファイナンス力、および事業のオペレーション力などを発揮して、卸売事業、小売事業を展開することができる。それが、この事業分野における住友商事グループの強みです。

さらに今後は、農業分野においてもIoT(モノのインターネット)の導入が進むとみています。例えば酪農畜産業においては、牛の体温をリアルタイムで計測し、発情や分娩を検知するといった個体管理の方法が実現しようとしています。そのような最新のテクノロジーにも目を配りながら、肥料、家畜用動物薬といった関連事業部署とも連携して、農家を力強くサポートしていくこと。それが、当社の農薬ビジネスの一つの目標です。

一方、川上においては一層の販売力強化に向けて、日系農薬商品を補完しつつ、商品ポートフォリオを拡充する動きも既に始めており、天然物由来のバイオ農薬を生産するスペインのフツレコへの出資は、その最新の取り組みです。

農薬のバリューチェーン全体を通じて世界規模での食糧安定供給に寄与し、「食」という人間活動の根本を支え続けていくために、住友商事はこれからもチャレンジを続けていきます。

バルセロナ大学や国内外の研究機関との技術提携など、研究開発に強みを持つバイオ農薬メーカーのフツレコ

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