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EV用電池の二次利用市場を創出

2011年4月掲載

日産自動車とのコラボレーション

地球温暖化やエネルギー資源枯渇といった環境問題の解決に大きな効果を期待されるエコカー。その中でもガソリンの代わりに電気で走る電気自動車(EV)は、切り札的存在です。日産リーフの本格販売が始まるなど、いよいよEV普及の流れが本格化してきました。

EVの普及推進には、いくつかの課題があるといわれています。その課題の一つがバッテリーのコスト。そこで、高い残存価値を持つEV用リチウムイオン電池を有効活用する新たな市場が確立されれば、普及にもつながると考えました。EVとともに、リチウムイオン電池の二次利用市場の普及が進めば、お客さまの負担を軽減することも可能になります。こうした狙いで、住友商事では日産自動車とのコラボレーションで「4R(※)ビジネス」をスタートさせました。
(※)4Rとは、再利用(Reuse)、再製品化(Refabricate)、再販売(Resell)、リサイクル(Recycle)の頭文字から生まれたものです。

日産リーフに搭載されるリチウムイオン電池は、一般的な使い方であれば5年後でも80パーセント程度は残存容量があるとされており、二次利用も十分に可能です。自動車に搭載された長寿命でエネルギー密度の高いバッテリーを様々な用途に活用していくという、まったく新しい仕組みと市場を創出しようというのが、住友商事の狙いです。

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4Rビジネスは、再生可能エネルギー分野で二次利用することで、一層の環境貢献を実現

EVの普及で暮らしや社会が変わる

「EVが走るクリーンな街作り」は、充電スタンドの設置などインフラ面での課題はあるものの、大きな流れで見ればガソリン車からEVへのシフトと同様に確実に進むと見込んでいます。また、ライフスタイルやビジネスの面でさまざまな変化をもたらすでしょう。例えば、充電時間を利用した消費行動を期待して、ショッピングセンターやファミリーレストランに充電スタンドが併設されるかもしれません。また、大手家電チェーン店がEVの販売を始めたように、販路そのものも広がっていくことが期待されます。元来、自動車産業は、裾野の広さが特徴でしたが、EVによりさらに裾野は広がっていきそうです。日本はEVの開発で世界をリードしており、こうした大きな変化も世界に先駆けて日本で起こることが予想されます。EV化は、今後、日本の力を一層高めることにつながると期待できます。

会員制充電サービスの事業化推進

「マイバッテリー」の実現するもの

EVの普及に伴い、リチウムイオン電池の二次利用市場も広がりますが、EVの販売はまだ始まったばかりです。まず、その市場を積極的に創出しようというのが住友商事の考えです。

二次利用方法の一つとして、住宅用のバッテリーが考えられます。夜間の安い電力の蓄電用に使えば、ユーザーにとってはコスト削減につながり、電力需要の平準化でスマートグリッド(電力使用の最適化)の実現に結びつきます。バックアップ電源として利用すれば、大規模災害時の停電への備えにもなるでしょう。EVとそれに搭載された二次利用のリチウムイオン電池が普及すれば、各家庭が「マイバッテリー」を持つことが可能になり、新たなインフラとなり得るはずです。

こうした社会は、電池メーカーや自動車メーカーだけでできるのではありません。受け入れる住宅メーカー、販売事業者、一般消費者と、さまざまな立場のステークホルダーが等しく関わり、Win-Winの関係を構築してこそ実現できるもの。その仕組みをつくろうというのが、住友商事の狙いです。日産自動車と共同出資で設立したフォーアールエナジーを核に他業種企業とも積極的に力を合わせていきたいと考えています。

住宅用蓄電池にはEVに搭載するリチウムイオン電池と同じものを利用(住友林業みなとみらい第二展示場)

根底にあるのは「住友の事業精神」

リチウムイオン電池二次利用市場の可能性は、未知数です。ビジネスとして成立するのは、まだ少し先の話かもしれません。それでもあえて住友商事が取り組むのは、創業以来400年以上にわたって住友グループが受け継いできた「住友の事業精神」が背景にあるからです。

その骨子は「住友の事業活動は、日々の市場変動に一喜一憂することなく、信用を大事にして誠実・健全を心がけるとともに、時代の転換点では自ら率先して構造改革に取り組み、自社のみならず社会にとっても有意義な価値を生み出すものでなければならない」というものです。

まさにEV普及という時代の転換点において「マイバッテリー」という有意義な価値を生み出し、日本を中心に様々なステークホルダーがWin-Winとなる仕組みを作ることが、今回の取り組みの目標にあります。

2020年あるいは2030年、どこの家庭にも「マイバッテリー」があるのが当たり前になっているかもしれません。しかも、その仕組みは世界中に展開されているかもしれません。そうした新しい社会創出の出発点がここにあることを信じ、私たち住友商事はチャレンジを続けていきます。

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住宅の太陽光パネルと連携した蓄電池システムイメージ

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