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タイヤビジネスの領域を拡大し、アフターマーケットで本格展開

2012年8月掲載

「SUMITOMO」ブランドのタイヤ、ご存じですか?

私たち消費者が直接目にする製品で「SUMITOMO」のブランドが冠されたものはほとんどありません。そんな中「SUMITOMO」ブランドのタイヤが、高品質なタイヤとして高く評価され、多くの愛用者を獲得しているのです。

実は住友商事とタイヤの関わりは古く、ビジネスのスタートは1960年代にさかのぼります。住友ゴム工業との長年の関係に基づき、同社の輸出専用ブランドである「SUMITOMO」ブランドタイヤを、当初は米国やサウジアラビアに向けて輸出。その後オーストラリアや中近東、アジア各国へと販路を拡大していきました。

住友商事は住友ゴム工業製の「SUMITOMO」ブランドのタイヤを中心に、世界約20カ国へ輸出している

トレードから事業展開へシフト

2000年代に入り、当社は新たなビジネス戦略を模索しながら、タイヤの現地流通事業への参入を開始しました。かねてビジネスを展開していたアラブ首長国連邦(UAE)では、タイヤの卸売事業を手掛け、現在はオーストラリアで30店超のフランチャイズ店舗網を確立しています。両国には社長を派遣し、「SUMITOMO」ブランドタイヤの販売事業をきめ細かく行っています。また、タイやロシアにおいても、住友ゴム工業と共同で卸売事業に参画しています。

一方、米国では1985年にトレッドウェイズ社を設立し、同社を通じて「SUMITOMO」ブランドやプライベートブランドタイヤの卸売事業を展開していましたが、ビジネスの基盤をさらに強固にすべく、2005年に米国ナンバーワンの独立系タイヤ小売りチェーンTBCコーポレーション(以下TBC)を買収し、小売り分野へ進出しました。TBCは世界最大のタイヤ市場である米国で、56カ所の倉庫を有し卸売事業を行っている他、約1,200店舗の小売りチェーンを展開しシェア10パーセントを占める圧倒的な存在感です。この買収は米国内で非常に大きなインパクトをもって受け止められました。

砂漠が多く路面が高温になる中東では、質の高い日本製タイヤが重宝されている。写真はドバイ(UAE)の販売会社

全米首位のタイヤ販売、修理・メンテナンス網を構築

TBCの小売りチェーンではタイヤ販売のみならず、車の修理・メンテナンスサービスを行っています。2008年のリーマンショック以降、米国のタイヤ市場は伸び悩みましたが、新車の買い控えが起きた結果、1台の車を長く乗り続けようとする人が増えました。 いわゆる“車齢”の長い車が増えたのです。その結果、自家用車の修理・メンテナンス需要が拡大し、TBCでも同分野の売り上げが伸びていきました。

当社は、ここにさらなる成長機会があると判断し、2012年4月に全米最大の自動車修理・メンテナンス会社であるマイダスを買収しました。マイダスと言えば、米国では知らない人がいないほどメジャーな会社。触ったものすべてを黄金に変えるギリシア神話の"Midas touch"をもじった同社のキャッチフレーズは、米国人にとっておなじみです。マイダスは北米で1,500店舗、TBCと合わせると2,700店舗のネットワークとなり、これは業界首位。しかもTBCが米国東南部・西部中心、マイダスが北東部・カナダ中心の店舗展開であることから地域的な補完関係も生まれました。今後は、TBCのタイヤ販売のノウハウを活用し、消耗品やパーツの共同仕入れなどのシナジーを実現することで、さらなる収益基盤の拡大を目指します。

マイダスは米国での消費者へのブランド認知度が90パーセントを超えると言われている

鉱山開発のオペレーションにも貢献

もう一点、当社のユニークなタイヤビジネスについてご紹介しましょう。

住友商事では世界有数の銅・金鉱山であるバツヒジャウ鉱山(インドネシア)の開発プロジェクトに参画しており、このプロジェクトのために大型建機用のタイヤを納入しています。

近年は世界各地で大型の鉱山開発プロジェクトが増えています。そのため建機用タイヤの需要も急増。しかし、非常に大型で特殊なタイヤであるため製造できるメーカーは限られ、供給はひっ迫しています。もしタイヤの供給が予定通り行われなければ建機の稼働はストップし、鉱山開発自体が大きな影響を受けることになるでしょう。そうした事態を防ぐため、当社はメーカーと鉱山側、双方の調整役としての機能を最大限に発揮。関係者との綿密な連携を通してタイムリーなデリバリーを実現することで、鉱山プロジェクトのスムーズな進捗に貢献しています。

鉱山での大型建機用タイヤは、直径で約3.5メートル以上のものがあり、製造するのにも高い技術が要求される

成功モデルを世界各地に展開

これらのように住友商事は時代の変化をとらえ、さまざまな地域でビジネスチャンスを探っています。今後は米国での修繕・メンテナンスサービスも含めた統合的ビジネスモデルをさらに強化し、世界各地へ横展開していく計画です。自動車保有台数の伸びが著しい中国や南米など、新たなマーケットにも注目をしています。国や地域によって商習慣やニーズが大きく異なりますので、総合商社ならではの広い人脈や知見を生かし、現地の状況に合わせて臨機応変な事業展開を進めていく考えです。

目指すのは「世界規模で存在感のあるタイヤマーケター」。当社のタイヤビジネスは、新たな成長フェーズに大きな一歩を踏み出しました。

販売や修理・メンテナンスなどの複合的なビジネス展開をグローバルに広げていく

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