このページの本文へ移動

文字サイズ

  • 標準
  • 拡大

日本の資源の安定供給に貢献する鉄鉱石ビジネス

2011年10月掲載

1950年から続く住友商事の鉄鉱石事業

鉄鋼製品を生産するための主原料である鉄鉱石。現在の日本国内では産出されないことから、輸入に頼らざるを得ません。年間の鉄製品生産に対する鉄鉱石使用量も、日本が1,2億トンに対し、中国は約10億トンにも達しています。国際市場における中国の影響力が強まる中で、日本では一層の安定した資源確保が求められています。住友商事では鉄鉱石の安定供給を通じて日本の産業の健全な発展に貢献するため、トレードと投資の両面から鉄鉱石のビジネスに取り組んでいます。

住友商事が鉄鉱石のトレードビジネスに参入したのは1950年。他の大手商社と同様に、日本の製鉄会社のエージェントとして貿易実務を引き受けて手数料を得るスキームで始めました。投資については1965年にオーストラリアのサベ-ジリバー鉄鉱石プロジェクトに参加。トレードを主軸としながらも、上流権益への投資も手掛けるようになりました。

しかし、こうしたトレードを核とした鉄鉱石ビジネスが曲がり角を迎えたのが、2000年初頭。中国の鉄鉱石輸入量が日本を超え、鉄鉱石マーケットが逼迫。鉄鋼不況を経験した日本の製鉄会社は徐々に自社で輸入実務を手がけるようになり、従来の商社機能では世の中のニーズを満たせなくなっていました。これらを契機に住友商事は、投資ビジネスの強化に乗り出すことになったのです。

地球総質量の1/3は鉄から成るが、採算の取れる範囲で採掘できる鉄鉱石はわずか

南アフリカで権益を獲得。最大の資産はノウハウ

転期後、最初の大型投資の舞台となったのは、長らくトレードビジネスのサプライヤーであったアソマン社でした。この会社は、高品位鉄鉱石、高品位マンガン鉱石およびクロム鉱石の3つの鉄鋼原料資源を保有する世界でも類を見ない資源鉱山会社です。住友商事では40年以上にわたってトレードビジネスのパートナーを務めてきた実績と信頼をベースに権益取得の交渉に乗り出し、2007年1月にアソマン社の権益を取得することができたのです。

この案件は、南アフリカにおける日本企業の大型投資として最も早い事例の一つとなりました。住友商事にとっては、“鉄鉱石三大メジャー”による寡占状態の中に入り込んだという意味で、非常に意義深いものです。さらにこの案件を通じて、契約や法律、ファイナンスなどを含む、鉄鉱石ビジネスにおける投資の知見を得ることができ、それが次のブラジルでの投資に生かされることになったのです。

採掘する鉱山から輸出する港まで、何百キロもの距離のインフラを整備することも、鉱山開発には欠かせない

ブラジルで優良鉱山に投資。数十年来の人のつながりが実を結ぶ

ブラジルのミナスジュライス州には鉄鉱石が豊富に賦存している「鉄四角地帯」と呼ばれるエリアがあります。2010年、住友商事はここで鉄鉱山を運営するウジミナス社の100%子会社ミネラソンウジミナス社(ムーザ社)に第三者割当増資引受の形で30%分の出資をおこないました。想定可採鉱量が最大約24億トンで、現在の生産量は年800万トン、将来的には年3,000万トンの生産が見込まれる、大型プロジェクトです。

このようにすでに操業段階にあって早期の収益貢献が期待できる案件に参画できた背景には、「人のつながり」がありました。実は住友商事では、過去から何人もの担当者がブラジルに駐在し、地域に根差した情報収集・営業活動を通じて、さまざまな鉱山権益獲得に動いていました。その頃からの「縁」が生きて住友商事に声がかかったのです。ブラジル人は他者との信頼を非常に重んじる国民性があり、住友商事がその信頼に応えることができたということです。

ブラジルのムーザ社に出資することで、日本の鉄鉱石年間輸入量の1割弱にあたる、約900万トンの権益を取得

ムーザ社鉱山付近には同業他社が林立しています。大規模かつ、効率よく掘削するには関係者の調整が避けられず、長い時間と、実績に裏打ちされた信頼が不可欠。南アフリカのアソマン社の経験から得た知見は、こういった現場レベルでの対応にも生かされています。

「鉄鉱石三大メジャー」の寡占化が進む中、鉄鋼原料部の担当者は「住友商事が独特の存在感を発揮し、日本の資源安定調達に少しでも貢献できるよう、業界に一石を投じる気概で取り組んでいます」と話します。

交渉する中、何度も衝突したムーザ社と当社の社員。今では共に理解しあい、プロジェクト成功のため一丸となって協力している

コミュニティ-センターによる地域住民への貢献

地域への貢献にも力を入れています。
南アフリカでは、アソマン社の会長と共同で地域のコミュニティ-センターを開設しました。

地域住民のために何か貢献をしたいと住友商事の若手社員が考えていたところ、タイミングよく同社会長がコミュニティ-センター建設を構想していたため、総建築費の半額を寄付したのです。このコミュニティ-センターは子供を含む地域住民の交流や人材育成の場として利用されています。非常に意義深い貢献であり、こういった取り組みは南アフリカに限らず今後も検討していく予定です。

住友商事のトレードビジネス、投資を通じて日本に輸入される鉄鉱石やマンガン、クロムは、建材など私たちの身近なところで幅広く利用されています。住友商事はこれからも日本の資源の安定供給に貢献するため、鉄鉱石ビジネスにさらに力を入れていきます。

娯楽施設も少ない南アフリカの村に、老人から子供まで利用できる、地域の憩いの場として、コミュニティーセンターを開設

関連タグ

  • 資源・化学品事業部門
  • ブラジル・南アフリカ共和国
  • 鉱物資源

最近よく見られている事業紹介

ページの先頭へ