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21世紀の天然ガス供給モデル、「シェールガス革命」をリード

2011年2月掲載

米国ならではのフロンティア精神

最近、脚光を浴びている「シェールガス」。新聞や雑誌で目にしたことのある方も増えているのではないでしょうか。住友商事は、このシェールガスの開発に意欲的に参入し、「シェールガス革命」と呼ばれるトレンドをけん引しています。

石油と並ぶ化石燃料が天然ガス。エネルギー需給の逼迫(ひっぱく)感やCO2排出量の少なさなどから、天然ガスの供給増への期待は年々高まっていました。そうした声に応えるように、近年になって地下からの回収が実現したのがシェールガスです。

シェールとは、泥が水平に堆積してできた岩石である頁岩(けつがん)のこと。そのすき間に貯蓄されているメタンガスがシェールガスと呼ばれています。その存在自体は以前より知られていたものの、掘削が難しいこと、仮に掘削しても実用化には経済的合理性が得られないことから、長い間手つかずのままでした。

ところがこの困難な掘削に挑み続けていたのが、米国のミッチェルエナジーという石油会社。1990年代前半から後半にかけて、シェールから天然ガスを取り出すことはできないかと地道に格闘を続けてきた同社が、ついに本格的な商業生産に成功したのです。

ガス、水を分離させるガスセパレーター(写真はバーネットシェール)

アジア企業の先陣を切ってプロジェクト参入

ミッチェルエナジーが開発したのは、地中で横に井戸を掘って広範に天然ガスを回収する「水平掘削」の技術と、水圧でシェール層に亀裂を生じさせ天然ガスを生産する「水圧破砕(フラクチャリング)」の技術。これによって技術的にも経済的にもシェールガス掘削が成立するようになりました。

もともと米国には、シェール層が至る所に存在しています。ミッチェルエナジーが開拓しシェールガスのパイオニアと呼ばれているエリアが、テキサス州のバーネットシェール(Barnett Shale)。2000年頃、ここでの掘削が成功したことを受けて、多くのガス会社が、全米各地でシェールガス掘削に本腰を入れ始めたのです。そして当時、メキシコ湾からの天然ガス供給に関わっていたのが住友商事でした。海底の天然ガスはいずれ底をつくだろうと予想していた当社は、このシェールガスに次世代天然ガス供給の可能性を見つけ、参入を決定。アジアの企業として最も早く、2009年12月に現地ガス会社のパートナーとしてプロジェクト参入を果たしました。

このスピーディーな判断と行動は、住友商事が長年にわたって培ってきたエネルギー業界における情報収集力、ネットワークがあったからです。

バーネットシェールエリアのランドリグ(掘削装置)

パイプライン、販売も住友商事が手掛ける

バーネットシェールに続き、住友商事はよりポテンシャルの高いプロジェクトとして、2010年9月ペンシルバニア州のマーセラスシェール(Marcellus Shale)のプロジェクトに参入しました。

プロジェクトは、水平に広がるシェール層に次々と井戸を掘るという形で進められます。マーセラスシェールでは、これから約10年で1,100本以上の井戸を掘る計画です。

井戸の掘削には大量の油井管が必要で、住友商事グループの会社がここで使用される油井管の調達も行っています。また、抽出されたガスを分離するガス処理事業にも出資する他、ガスの販売事業も住友商事の米国事業会社が全米で展開しています。つまり、天然ガスのバリューチェーンが、米国で展開されることになり、ビジネスとして非常に大きな広がりを期待されています。

住友商事が参画したシェールガス開発エリア(2010年12月時点)

グローバルな展開も視野に

シェールガスの採掘が実現するまで、天然ガスの供給地といえば中東がメインでした。しかし、米国各地での飛躍的なシェールガスの開発により、天然ガスをめぐる世界の構造の激変が予想され、これが「シェールガス革命」といわれるゆえんとなっています。

シェールガスによって、米国では国内のガス需要は十分に賄えるとみられています。ヨーロッパや中国でも検討が始まりましたが、本格的な商業生産に至るまでにはインフラ整備等の課題もあり、当面は米国でのプロジェクトが世界をリードする見込みです。

住友商事は、米国でのプロジェクトを核にしてガスのバリューチェーンを展開。今後はここで得た知見を生かし、他地域でのプロジェクト参画の道を探っています。住友商事ならではの総合力が生きる、スケールの大きな取り組みを展開していきます。

主要パートナーであるレックス・エナジー社のメンバーと(マーセラスシェール)

マーセラスシェールエリアの掘削中ランドリグ

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