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世界最大規模のニッケル生産事業「アンバトビー・プロジェクト」

2017年4月更新

ニッケル需要の高まりを見すえて

ニッケルは、ステンレス鋼のほか、電池材料、電子材料などに幅広く利用され、特に最近では携帯電話や環境対応車などの急伸に伴って、世界的に需要が高まっています。しかし、それらに使用される高品質ニッケルの生産者は限られており、大型資源事業の開発によってニッケル需要の伸びに応えようというのが、住友商事グループがマダガスカル共和国で進めている「アンバトビー・プロジェクト」です。一からの生産設備とインフラ建設を完了して2012年に生産を開始。生産事業者として事業推進するとともに、製品を日本・欧米・アジア向けに販売し、さらなる事業の発展を目指して競争力強化に向けた取り組みを進めています。

マダガスカルの首都、アンタナナリボ

精錬までの一貫生産を行う世界最大規模プロジェクト

当社がアンバトビー・プロジェクトに参画したのは2005年10月。世界最大規模のニッケル生産事業で、採掘から地金精錬を同一国内で一貫して行うという世界的にもまれなプロジェクトです。カナダの民間資源会社と、韓国の鉱物資源公社と共に国際的チームを構成し、プロジェクトを推進しています。日本・韓国というニッケル需要国が共同推進する初めての資源開発案件で、将来にわたる両国の経済協力という側面からも、意義深いプロジェクトといえます。

ニッケル地金の生産能力は6万トン(2015年実績世界市場シェア3パーセントに相当)、それ以外に副産物としてコバルト地金、硫酸アンモニウム等を生産しています。

現在操業中の精錬プラント

インド洋上に浮かぶ自然豊かな島国

マダガスカル共和国は、東アフリカの東南、インド洋上に浮かぶ島国。マダガスカル固有種の猿、アイアイやシファカでも知られています。日本からは片道2日。この遠い島国で展開されているアンバトビー・プロジェクトは、マダガスカルの将来につながるチャレンジングな取り組みです。

2000年まで世界最貧国の一つだったマダガスカルでは、2001年より世界銀行の指導で経済改革がスタートし、翌年には外貨獲得を促すために「大規模鉱山投資法」という法律が施行されました。アンバトビー・プロジェクトは、この法律により為替管理や税金等に関する長期安定的な取り扱いを保障されています。同国がこのプロジェクトに寄せる期待の大きさは、ここからもうかがえます。

マダカスカルにのみ生息するシファカ

プロジェクトの意義を相互に理解し合う

資源開発プロジェクト推進に当たっては、地元地域の理解が必要不可欠です。このプロジェクトでは、開発当初より外交団や融資銀行団の協力も得ながら、国際的なチームが一丸となり、政府や地元住民に対して、「このプロジェクトがマダガスカルの将来にとって極めて重要であること」を伝えており、プロジェクトの意義が広く地域に定着しています。2012年からニッケル・コバルトの生産が始まり、製品の輸出額は2015年のマダガスカル輸出総額の約3割超を占めるなど、大きな経済効果をもたらしており、国民全体からのプロジェクト支持に結びついています。

移住村に小学校を建設し、13歳以下の教育を提供

地元への高い貢献と、環境保護へのきめ細かな配慮

同プロジェクトは雇用効果も大きく、現在プロジェクトで働く従業員は約7,500人。直接雇用のうち現地マダガスカル人が約94%を占めており、その家族や関連産業従事者を含めれば多くの国民の生活が、このプロジェクトによって支えられることになります。プロジェクトでの就業経験を通じて専門スキルを身に付けられるのも、将来に役立つはずです。

さらに、港や道路の整備、学校・保健所などの公共施設の建設、教育システムの構築などを推進。周辺農家に対しては農業指導や技術支援、中小企業向け経営指導など、自立を支援する試みも実施。まさに「この国に暮らす人々の笑顔が見えてくるようなサポート」を推進しています。

環境面への配慮も、森林や生物保護のための多様なプログラムを実施。鉱山周辺には希少生物保護のためにバッファーゾーン(*1)を設置し、環境に配慮したパイプラインルートの設定や、絶滅危惧種の生物保護など、多様な取り組みを行っています。

このように、国際的チームからなる世界最大規模のアンバトビー・プロジェクトは、安全・環境・社会的影響に配慮した事業運営を軸とし、今後も世界を代表するニッケル生産プロジェクトであり続けることを目指します。

*1 保護地域外からの影響を緩和するための緩衝地域・地区のこと

技術者の養成など、人材育成にも貢献

関連タグ

  • 資源・化学品事業部門
  • マダガスカル
  • 鉱物資源

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