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世界中を視野に展開を進める風力発電事業

2011年1月掲載

新事業部を立ち上げ、国内から海外へ

自然の風を利用して発電を行う風力発電は、環境への負荷が極めて低いクリーンな電気エネルギーとして脚光を浴びており、米国、中国、ヨーロッパ等を中心に世界各地で開発が進んでいます。再生可能エネルギー事業に注力する住友商事でも、一層力を入れて取り組むべき分野と捉え、2010年4月1日に新設した「風力・水インフラ事業部」において、海外での大規模な風力発電事業を展開しています。

風力発電の仕組みは極めてシンプルで、風が吹くと大きな風車が回り、それによって内部の発電機を回して発電します。最新の大型風車は高さが60~100メートル、羽根の長さは40~50メートルにもなります。適度に強い風が一定方向から吹いている場所が理想と言われています。

大規模風力発電所の建設には、風がきちんと吹くことはもちろん、低周波騒音、景観、シャドウイング(遮光)、生態系への影響など様々な問題がクリアできる広大な土地が必要です。その他、風力など再生可能エネルギーの発電所建設・運営には、発電量単位で比較すると一般的な火力発電よりもコストがかかるため、政府による長期間の買い取り保証などの支援策が整備されている必要があります。さらに風の変化による発電量の変動を受け入れるのに十分な送電設備が整っている場所であることも重要な要件です。

風力発電機の据え付けの様子。タワーの上に載せる部分(ナセル)だけでも、大型バスほどの大きさがあります

世界二大市場でのダイナミックな取り組み

当社は日本国内では、事業会社のサミットエナジー株式会社が山形県酒田市と茨城県鹿島市に風力発電所を所有していますが、この経験も生かして海外展開を進め、現在は国内外合わせて4カ所で風力発電事業を行っています。

世界の風力発電所の2009年末時点の累積設置容量は、米国が1位、中国が2位となっています。しかし、2009年単年度における新規設置容量で米国を追い越した中国が、早ければ2010年中にも、新規、累計設置容量ともに世界最大の風力発電国となる見込みで、当社はこの二大市場で事業を積極的に展開しています。

米国での当社第一号となる風力発電所として、2009年7月に稼働中のテキサス州スタントン風力発電所(120MW)の事業権益を買収しました。

また中国においては、2007年4月に大手電力会社大唐集団(中国5大発電会社の1社、風力発電設置容量ベースで世界第6位の事業者)、および九州電力との間で合弁契約を締結し、内蒙古自治区で大唐中日(赤峰)風力発電所(50MW)を建設、2009年9月に商業運転を開始しています。これは中国において日本企業が参加する初めての、また現在のところ唯一の風力発電所です。

テキサス州スタントンの風力発電事業

中国で獲得したノウハウとパートナーとの協力関係

内蒙古での風力発電所建設プロジェクトは、苦労の連続でした。広大な土地のどこに発電機を建設するかという最初のステップから、日中両国の考え方やスピード感が食い違い、プロジェクトは何度も暗礁に乗り上げました。その都度、住友商事は現地スタッフと協力して当社の強みであるコーディネート力を発揮し、パートナー間の理解促進を進め、ハードルを乗り越えました。

当社には、世界各国で様々なプロジェクトを推進してきた経験と、中国での長年のビジネス経験があり、何よりも日本、中国双方の習慣や事情をよく理解し、中国語で交渉できるスタッフが多くそろっています。相手の立場を尊重して調整を行ってきたことが、パートナーの信頼の獲得、そしてプロジェクトの成功につながりました。

当社のコーディネート力、リスクマネジメント力、そしてグローバルネットワークが評価された結果、2010年7月大唐集団との間で中国及び第三国における再生可能エネルギー事業分野の共同案件開発を促進することを定めた「合作枠組協議書」を締結しました。中国市場においては、中国大唐集団との合作により中国国内における風力発電所の発電容量を現状の50メガワットから早急に300メガワットまで拡大させる計画です。また第三国における共同案件開発についても積極的に取り組むこととしており、中国で一から手がけた風力発電事業の経験とノウハウが、さらに大きく花開こうとしています。

大唐集団公司と新エネルギー分野の協力体制を固めました

数年後は、リードデベロッパーとしてプロジェクトを牽引

当社は数年後には全世界での風力発電の持分発電容量を現在の97メガワットから1,000メガワットにまで拡張するというビジョンを描いています。

そのための施策として、世界の二大市場である米国及び中国において、スタントン風力発電所、大唐中日(赤峰)風力発電所を通じ培ったノウハウ、経験を足掛かりに更なる事業展開を進めます。
また、米国、中国に続く風力発電新興市場においても新規案件の創出に向けて積極的に取り組み、2、3年の内には世界各国の風力発電事業で培ったノウハウを集約し、プロジェクトを開発していく「リードデベロッパー」となることを目指しています。
将来は陸上だけでなく、障害物がなく、豊富な風資源を有するといわれる海上における洋上風力発電事業への進出も視野に入れ、大きな一歩を踏み出しています。

風力発電は、発電時に二酸化炭素を発生させないクリーンエネルギーであることはもちろん、発電機の周辺で引き続き農業、畜産業などを営めるという特長も備えています。事業期間が終われば、発電機を撤去することで元通りの環境に戻すことが容易であるという点でも、環境負荷の低い発電方法です。環境への貢献という社会的使命のもと、当社は再生可能エネルギー事業の一環として、風力発電事業に一層注力していきます。

中国・内蒙古自治区での風力発電事業。発電機のそばでは牛・羊の放牧を行なっています

関連タグ

  • 環境・インフラ事業部門
  • 日本・米国・中国
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