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バイオマス発電による低炭素社会の実現へ
~サミットエナジーによる国内発電事業~

2011年1月掲載

木を燃やす火力発電所を所有

2000年に始まった日本における電力小売事業自由化。段階的に展開が進み、現在では20社以上の事業者が独自に発電を行うか、他社から電力を購入しながら、電力の小売販売事業(いわゆるPPS事業)を行っています。
住友商事グループでこの電力事業を担っているのが、サミットエナジー。同社では低炭素社会実現に向けたさまざまな取り組みを行っていますが、中でも注目されているのが木質系バイオマス発電です。

木質系バイオマス発電とは、簡単に言えば"木を燃やす火力発電"。通常の火力発電は石炭などの化石燃料を使いますが、木質系バイオマス発電では建築廃材をはじめ、河川流木や間伐材、剪定(せんてい)材などを燃料として利用します。樹木は成長期にCO2を吸収するため、燃やしてCO2が発生しても差し引きゼロになるというのが、CO2フリーの発電という考え方です。

サミットエナジーグループでは、風力発電で2カ所、火力発電で3カ所の発電所を所有しています。その中の新潟県「サミット明星パワー 糸魚川バイオマス発電所」でこの木質系バイオマス発電を行い、年間8万トン以上のCO2発生量の削減に結びつけています。

糸魚川バイオマス発電所

代替燃料の開発に取り組む

"木を燃やして発電する"というのは、ある意味でわかりやすく、とてもイメージしやすい発電方法ですが現実には簡単なことではありません。発電所としてはあまり効率がよくないのです。石炭に比べて木材は水分含有量が多いため熱量が低く、品質にばらつきがあるので、発電に十分な火力を得るには大量の木材を必要とします。そこで安定的な発電のために糸魚川バイオマス発電所では、木材以外に石炭を4割程度混入させています。

国内の木材資源には限りがあることから、サミットエナジーでは、木材に代わるバイオマス燃料の開発にも意欲的に取り組んでいます。現在は代替燃料としてインドネシアやマレーシアなどからパームヤシ殻(PKS=Palm Kernel Shell)を輸入しており、これにより同社の発電量のうち、バイオマス燃料の割合は7割以上へとアップ、さらなるCO2フリーへの大きな一歩となりました。

パームやし(左) と やし殻(PKS)

こういった代替燃料は、どんなものでもなりうるわけではありません。例えばバナナの木(茎)は水分含有率が高すぎたり、ココナッツはボリュームが少なく回収コストがかかりすぎる、といった様々なクリアすべき高いハードルが存在します。

しかし、CO2フリーへ、バイオマス燃料の比率を高めていくことは同社にとって大きく重要なテーマです。PKSのような代替燃料の確保や調達方法を模索し、「バイオマス比率100%を目指し、他の新しいバイオマス燃料の開発や、技術的課題点をクリアにすることへ積極的に取り組みたい」(サミットエナジー・代表取締役社長・北村真一)としています。

やし殻が輸入船から引き上げられる様子

CO2削減のための新しい仕組みづくり

サミットエナジーでは、自社グループで発電するだけはなく、他社から調達した電力を、全国約900カ所の店舗やビル、工場などの様々な企業および官公庁へ供給しています。さらに、糸魚川バイオマス発電所で発電した電力に付帯して発生する環境価値については「グリーン電力証書」として販売しています。

「グリーン電力証書」とは、木質系バイオマスなど再生可能エネルギーで発電された電力(グリーン電力)を利用している需要家に対して発行されるもの。電力を消費するユーザーの立場から、グリーン電力を使用することでCO2削減に協力していることを広く告知することができます。企業イメージの向上、IR活動の一環としての効果が期待される仕組みです。サミットエナジーでは、電力を供給しているヤマダ電機に「グリーン電力証書」を販売しています。同社は積極的なPR活動に活用しており、CMなどで「グリーン電力」という言葉を耳にした方も多いでしょう。さらに、住友商事グループでは、新光糖業の製糖工場で発生する環境価値の購入販売も行っており、グループの総合力が発揮されています。

一方で、電気事業者に再生可能エネルギーの導入を一定割合で義務づける制度が、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」と呼ばれるもの。この制度によって、新エネルギー(再生可能エネルギー)の導入が義務量に満たない電気事業者は、他の電気事業者から新エネルギー価値を購入し、義務量を達成する必要があります。サミットエナジーでは、糸魚川バイオマス発電所で発生した豊富な新エネルギー価値を、義務量未達成の電気事業者に販売し、日本全体における再生可能エネルギーの義務量達成へ貢献しています。

発電にとどまらない、こうした多様な取り組みもサミットエナジーの挑戦の一つです。

今後の普及が期待されるグリーン電力証書

住友商事グループの一員として貢献

糸魚川バイオマス発電所では、代替燃料の開発のほか、木質系燃料の安定的確保も課題です。こうした課題に一つ一つ取り組み、効率を上げ、低炭素社会の実現に向けて事業を通じて貢献していくのがサミットエナジーのビジョンです。「住友商事の総合力を生かし、住友商事グループの一員として、価値ある貢献を行いたい」(北村)と考えています。

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