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CO2排出量を抑える火力発電設備を初めてエジプトへ

2010年4月掲載

エジプト初の超臨界圧火力発電設備を受注

電力を安定して供給する火力発電所は、私たちの暮らしや産業を支えるエネルギー供給施設として、とても重要な役割を果たしています。そして、これからも社会を支えるインフラの一つとして大きな期待を担っています。その一方で、解決すべき課題もあります。地球温暖化を抑制するため、発電効率の向上などで排出されるCO2を削減することが、重大なテーマになっているのです。

こうした中、注目を集めている技術が、超臨界圧発電技術です。発電用ボイラーで従来の火力発電より一層高温高圧の蒸気を作り、その蒸気でタ-ビンを回転させて発電効率を高め、CO2の排出量を削減するという技術です。優れた環境性能が評価され、世界各国で導入が進んでいます。

2009年9月、当社はエジプトに初めて建設される超臨界圧火力発電所向けの蒸気タービン発電設備を、日立製作所と共同で受注しました。建設地はカイロの東南東約120キロメートルに位置するアインソフナ地区で、着実な経済成長と人口増加を背景に、年々増え続けているエジプトの電力需要に応えます。

必要な電力をまかなうための安価な発電設備を普及させるだけでなく、環境に配慮した新技術を推進することも日本企業の重要な役割の一つです。

ナイル川とカイロ市街。毎年秋になると「黒い雲」に覆われるため、大気汚染問題などを解決する環境に配慮した技術の導入が急がれている

2008年、日立製作所と共に建設したクレイマット発電所。火力発電所の完成には、およそ3~4年かかる

エジプトにおける着実な電力事業の歩み

エジプトにおける当社の活動は古く、1954年にカイロ駐在事務所を開設以来50年以上にわたってさまざまなビジネスを展開しています。とりわけ、通信、鋼管、電力といった事業で多くの実績をあげており、発展を続けるエジプトのインフラ整備に貢献してきました。

火力発電の設備事業に参入したのは2002年。蒸気タービン発電設備を受注し、その後も蒸気ボイラー、さらには変電設備や送電線など、電力インフラにかかわるさまざまな製品の提供に携わり、8年間で6件の案件を手がけ、事業は順調に推移しています。

カイロ事務所では、現在、日本人と現地スタッフを併せ30名近くが働いている。中段右から3人目が福澤前カイロ事務所長

住友商事ならではの高度な事業ノウハウ

火力発電などの大型プラントを受注するためには、現地に根ざした緻密な情報収集やマーケティング戦略が不可欠です。例えば今回のケースでも、エジプトのエネルギー政策はもちろん、今後の需要動向など、仕様、性能に関する情報を的確に発電設備の企画・設計に生かす必要がありました。エジプトの法律や税金などの制度についてはもちろん、イスラム圏独特の文化や商習慣に精通していることも重要です。

当社はこうした情報やノウハウ提供のほか、発電設備メーカーとのネットワークなどを生かして準備を整え、設備の完成まで商務面・制度面でマネジメントする役割を果たしてきました。エジプトの複雑な税制や諸制度は、経験して初めて正しく理解できるものが多く、今回も発電設備の性能や効率性はもちろん、当社がエジプトで長年にわたって培ってきた高度な事業ノウハウや総合力が評価され、受注につながったのです。

カイロのハン・ハリーリ市場。エジプト伝統工芸品のガラス細工や絨毯などが多く売られている

培ったノウハウをアフリカのさまざまな国へも

エジプトの電力需要は、今後も数年間は年間6~7%の伸びが予想されており、発電所建設も継続して計画されています。当社では、超臨界圧火力発電設備をエジプトで初めて手がけた商社として、このアドバンテージを最大限に生かし、電力事業の拡大を目指します。

エジプトの火力発電は、これまでエジプト政府傘下の電力公社が建設・運営を行ってきました。しかし、民間企業にその権利を与え、急速に伸びる電力需要に迅速に対応しようという動きが出てきています。従来のようにタービンやボイラーといった設備単位ではなく、発電所の設備すべてを1社に一括発注する機会も増え、当社の強みである総合力をますます発揮できると考えています。発電設備に関して、あらゆる設備機器やシステムを取り扱った実績、メーカーとのネットワークなどを最大限に生かし、あらゆるニーズに対応する設備提供を展開していきます。

さらに、アフリカ諸国では、経済発展を支えるため、発電所に対するニーズが高まりつつあります。このニーズに、エジプトを含む世界各国で培った事業ノウハウを応用することも進めており、アフリカ各地で発電所建設に取り組むべく、積極的に市場開拓を図っています。

当社では、これからも環境への負荷を下げつつ、社会になくてはならない電力というインフラを整備することで、アフリカ諸国の発展に寄与していきます。

エジプトでの実績を生かし、アフリカ各国に安定した電力供給を目指しています

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